知的財産セミナー

特許庁委託 平成19年度特別研究員 中間報告会のご案内

 (財)知的財産研究所では、特許庁から委託を受けた産業財産権研究推進事業の一環として、産業財産権分野を専門とする若手研究者を研究員として1年間採用し、今後の産業財産権分野の政策の立案の基礎に資するテーマについて研究する機会を提供することにより、我が国の将来を担う産業財産権分野の研究者の育成を図る研究者育成事業を実施しております。
 今回、研究期間の中間において、5名の研究員のこれまでの研究成果の発表及び参加者の方々との意見交換を行う場を設けるために、次のとおり2日間にわたり、中間報告会を開催致しますので、ご案内申し上げます。

――――――――――――― 開  催  内  容 ―――――――――――――

日 時 1日目  平成19年11月5日(月) 13:30−15:50
2日目  平成19年11月7日(水) 13:30−14:55
 (※両日とも13:00受付開始)
会 場 (財)知的財産研究所 大会議室
東京都千代田区麹町3-4 トラスティ麹町ビル3階
         東京メトロ有楽町線 麹町駅(3番出口)より徒歩1分
         東京メトロ半蔵門線 半蔵門駅(3番出口)より徒歩5分
         JR中央線 四ッ谷駅より徒歩8分
         JR中央線 市ヶ谷駅より徒歩10分
参加費 無料
定 員 各日30名(受付終了いたしました。)
プログラム

【1日目: 平成19年11月5日(月) 13:30−15:50】 報告概要・報告者紹介はこちら
13:00 受付開始
13:30−13:35 開会・主催者挨拶
13:35−14:15 『パテントプールに係る特許の質と出願行動について』
塚田尚稔 特別研究員
14:15−14:55 『インターネット空間における商標問題 −ドメイン名の差止めを中心として』
市政梓 特別研究員
14:55−15:10 休憩
15:10−15:50 『国際私法における特許を受ける権利・特許権・実施権の承継』
申美穂 特別研究員
15:50 閉会
【2日目: 平成19年11月7日(水) 13:30−14:55】 報告概要・報告者紹介はこちら
13:00 受付開始
13:30−13:35 開会・主催者挨拶
13:35−14:15 『プログラムの特許権と著作権による重複保護により生じる問題点
−特に、職務上作成されたプログラムについて−』

内田剛 特別研究員
14:15−14:55 『企業の競争戦略としての特許利用について
−特許統計データを用いた実証分析−』

蟹雅代 特別研究員
14:55 閉会
※各報告は、発表30分、質疑応答10分の予定です。
◆申込締切 受付終了いたしました。
問合せ先 (財)知的財産研究所 岩井(いわい)、守法(しゅのり)
〒102-0083 東京都千代田区麹町3-4 トラスティ麹町ビル3階
Tel:03-5275-5281;   Fax:03-5275-5324;

『パテントプールに係る特許の質と出願行動について』
塚田尚稔特別研究員
【報告概要】
 知的財産権の重要性が高まり、技術標準にかかわる必須特許を一括ライセンスするパテントプールを形成する事例が見られる。プールにかかわる企業の特性によるインセンティブや出願行動の差異と特許の質について統計的に分析を行う。
 具体的には、MPEGLA社が管理する動画圧縮技術の標準であるMPEG2やMPEG4などの必須特許を分析対象とする。それらの特許の継続的出願の利用頻度やそのタイミングと被引用件数などで測った特許の質との関係を詳しくみることにより、パテントプールへの参加のインセンティブ、プールにライセンサーとしてかかわる企業間での公平性、あるいは、技術標準の策定過程の問題などについて論じていきたい。
【報告者紹介】
一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程(応用経済専攻)
平成19年4月より特別研究員として着任

『インターネット空間における商標問題 −ドメイン名の差止めを中心として』
市政梓 特別研究員
【報告概要】
 インターネット空間においてアドレスの役割を果たすドメイン名(「example.co.jp」など)が第三者の商標権と抵触するといった問題がある。これは、ドメイン名のexampleに当たる部分をドメイン名の申請者が自由に配列できること、また、その申請に当たっては無審査の先願主義の制度が採られていることに原因がある。したがって、著名な商標を第三者がドメイン名として登録し、商標権者に対して高額で買取りを迫るなどといった「サイバースクワッティング」が問題となった。このようなサイバースクワッティング行為に対しては、不正競争防止法の改正などによって商標権者保護の一様の解決は見られた。しかし、パロディに見られるような商標権と表現の自由の衝突を始めとして、商標権の保護はどこまで認められるのかについては定かではない。そこで、アメリカ合衆国法にいうフェアユースを手掛かりに、商標保護の在り方をドメイン名紛争からかんがみる。
【報告者紹介】
帝塚山大学大学院法政策研究科世界経済法制専攻博士後期課程修了 博士(法学)
平成19年4月より特別研究員として着任

『国際私法における特許を受ける権利・特許権・実施権の承継』
申美穂 特別研究員
【報告概要】
 本報告は、国際的な文脈において、内外の特許を受ける権利・特許権そして実施権が承継される場合に生ずる各種の法律上の問題が、いずれの国の法によって規律されることになるのかについて、国際私法の立場から考察することをその目的とする。経済のグローバル化に伴って特許権や特許を受ける権利をめぐる国際紛争が増加し、準拠法に関する判断を下した裁判例も登場しているが、それらは外国特許権侵害や職務発明の相当対価請求など、極めて限定的な状況における一部の問題に関するものであり、権利の帰属や承継可能性といった承継の問題一般の抵触法的規律に関しては、未解決な部分も多く残されている。
 本報告では、以上のような観点から、いわゆる属地主義の原則や、各種の国際条約の個別規定の検討、比較法的考察等を通じて、内外の特許権等の国際的承継をめぐる問題に、いかなる国の法律が適用されると考えるのが最も妥当であるかについて検討する。
【報告者紹介】
京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学(民刑事法専攻)
前京都大学大学院法学研究科助手
平成19年4月より特別研究員として着任

『プログラムの特許権と著作権による重複保護により生じる問題点
−特に、職務上作成されたプログラムについて−』
 内田剛 特別研究員
【報告概要】
 平成14年の特許法改正はコンピュータプログラムが著作権法のみならず特許法によっても保護されることを明確にした。しかし、職務著作の要件と職務発明の要件が異なるため、職務上作成されるプログラムの特許権及び特許を受ける権利(以下「特許権等」という。)と著作権が使用者と従業者に別々に帰属する場合が生じ得る。そのため、上記改正は特許法及び著作権法によるプログラムの保護が発明の実施と著作物の利用の双方に障害をもたらし得ることも明らかにした。
 本研究では、職務上作成されたプログラムの特許権等と著作権が使用者と従業者に別々に帰属する場合について、その原因となる両規定の要件の相違とその意義を明らかとするとともに、プログラムを保護する知的財産権の適切な帰属の在り方を検討する。具体的には、職務発明と職務著作の要件と両規定において異なる効果との関係及びその効果との関係から生じる両規定の要件の相違が解釈によって解消され得るのかという点を検討する。
【報告者紹介】
東海大学大学院法学研究科法律学専攻博士課程後期単位取得退学
平成19年4月より特別研究員として着任

『企業の競争戦略としての特許利用について −特許統計データを用いた実証分析−』
蟹雅代 特別研究員
【報告概要】
 排他的独占権を付与する制度である特許制度が企業活動において持つ意味は、経済学的観点からどのように評価できるであろうか。本研究では、特許制度を活用し他社を排除するような戦略(自社排他的実施やブロッキング・パテント)をとる場合に注目し、その意義について統計的手法で分析している。 具体的には、まず、排他的利用の決定要因に関して、「企業のどのような特性・要因が競争戦略としての特許利用を決定するのか」という問題を検討する。そして、排他的利用の効果について、「競争戦略としての特許利用はどのくらいのパフォーマンスをもたらすのか」を分析する。これら二つの分析を体系的に行い、排除戦略としての特許利用について包括的に検証する。
【報告者紹介】
大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学(経済学専攻)
平成19年4月より特別研究員として着任

                                                        以 上