知的財産セミナー

特許庁委託 平成20年度特別研究員 中間報告会のご案内

 (財)知的財産研究所では、特許庁から委託を受けた産業財産権研究推進事業の一環として、産業財産権分野を専門とする若手研究者を研究員として1年間採用し、今後の産業財産権分野の政策の立案の基礎に資するテーマについて研究する機会を提供することにより、我が国の将来を担う産業財産権分野の研究者の育成を図る研究者育成事業を実施しております。
 今回、研究期間の中間において、5名の研究員のこれまでの研究成果の発表及び参加者の方々との意見交換を行う場を設けるために、中間報告会を開催いたしますので、ご案内申し上げます。

――――――――――――― 開  催  内  容 ―――――――――――――

日 時 平成20年11月6日(木) 10:00−15:55 (9:30受付開始)
会 場 (財)知的財産研究所 会議室 
東京都千代田区麹町3-4 トラスティ麹町ビル3階
         東京メトロ有楽町線 麹町駅(3番出口)より徒歩1分
         東京メトロ半蔵門線 半蔵門駅(3番出口)より徒歩5分
         JR中央線 四ッ谷駅より徒歩8分
         JR中央線 市ヶ谷駅より徒歩10分
参加費 無料
定 員 各報告ごと60名 (先着順)
プログラム

  9:30 受付開始
10:00−10:05 開会・主催者あいさつ
10:05−11:00 『外国特許権侵害訴訟における国際裁判管轄と特許無効の抗弁』
岩本 学 特別研究員

>>報告概要・報告者紹介

11:00−11:55 『ライセンス方式が技術の市場価値に与える影響』
猪野 弘明 特別研究員

>>報告概要・報告者紹介

11:55−13:00 休憩
13:00−13:55 『パテントプールの競争制限効果に関する基礎的研究』
山田 誠治 特別研究員

>>報告概要・報告者紹介

13:55−14:50 『ソフトウェア特許の経済分析』
新井 泰弘 特別研究員

>>報告概要・報告者紹介

14:50−15:00 休憩
15:00−15:55 『M&Aと企業のイノベーション活動
−合併が企業の出願・審査請求行動に与える影響−』

山内 勇 特別研究員

>>報告概要・報告者紹介

15:55 閉会
※各報告は、発表40分、質疑応答10分、指導官講評5分の予定です。
◆申込締切り 平成20年11月5日(水) ただし、各報告ごとに定員に達し次第受付を締め切り、以降のお申込みはキャンセル待ちとさせていただきます。
申込方法
受付終了いたしました。
問い合わせ先 (財)知的財産研究所 岩井(いわい)
〒102-0083 東京都千代田区麹町3-4 トラスティ麹町ビル3階

 
『外国特許権侵害訴訟における国際裁判管轄と特許無効の抗弁』
岩本 学 特別研究員
【報告概要】  

 外国特許権に基づく侵害訴訟が提起された場合でも、裁判所は外国特許権であるという理由をもってこの訴えを却下することはない。しかし外国で付与された特許の有効性自体を問題とする訴訟については、当該特許が付与された国の裁判所に排他的に管轄を認めるのが妥当とされる。それでは、侵害訴訟において外国特許権に対し「抗弁」として無効主張がされた場合,我が国裁判所はこの訴訟を審理できるのであろうか。これが本研究の主題である。
 我が国ではこの問題に関する裁判例も乏しく先行研究も少ない。一方で、欧州司法裁判所は2006年にこの問題について注目すべき判決を下し、欧州内に大きな議論を呼んでいる。
 本報告では、我が国の現状を踏まえ、上記欧州の議論を素材として、外国特許無効の抗弁の是非を含めた我が国での対応について解釈論あるいは立法論を提示することを目的とする。なお中間報告においては主として欧州からの示唆の部分に焦点を当てる。

【報告者紹介】
東北大学大学院法学研究科博士後期課程
平成20年4月より当研究所特別研究員

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『ライセンス方式が技術の市場価値に与える影響』
猪野 弘明 特別研究員
【報告概要】

 技術開発の価値は特許制度に影響される。この特許のライセンス方法としてよく使用されるのは、ロイヤルティ方式と固定料金方式である。前者は、その特許を使用した生産量に応じて特許使用料を徴収する。一方、後者は、生産量とは無関係に、ある一定の固定料金を支払った生産者に特許技術の使用を許す方式である。Kamien & Tauman (1986) は、ロイヤルティ方式と固定料金方式を比較すると、固定料金方式の方が技術革新者に多くの利益をもたらすことをゲーム理論的に示した。この結果は、多くの特許においてロイヤルティ方式も採用されている現実に対し、経済理論上のパラドクスであり、したがってKTのモデルを基準点として、どのような経済的要因を組み込めばその結果が覆せるかを明らかにすることが重要となっている。本研究では、様々な経済要因が両ライセンスの方法に与える影響を、過去の経済理論研究のサーベイや新たな経済モデル分析によりゲーム理論的に明らかにする。

【報告者紹介】
東京大学大学院経済学研究科単位取得退学
前東京大学社会科学研究所(学術振興会特別研究員)
平成20年4月より当研究所特別研究員

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『パテントプールの競争制限効果に関する基礎的研究』
 山田 誠治 特別研究員
【報告概要】

 本報告では、複数の特許権利者が自ら所有する特許を持ち寄り、それを必要とする企業にライセンスをするパテントプールについて取り扱う。近年、技術革新の著しい分野では、技術の高度化、細分化が進み、企業は自社の所有する特許権だけでは新製品開発を実施できない状況に直面している。新製品開発を行うためには、数多くの特許権利者とライセンス交渉しなければならないため、企業にとってその手間や技術のサーチコストなどが大きな負担となっている。そこで、これを解決する手段として、パテントプールが注目されている。しかしながら、パテントプールは、複数の特許権利者が所有する特許権を一括管理するため、カルテルとして競争制限効果をもたらすことが危惧されている。本報告では、経済理論モデルを使って、パテントプールが潜在的に競争制限効果を持っているか否かについて検討を行う。

【報告者紹介】
神戸大学大学院経済学研究科博士後期課程
平成20年4月より当研究所特別研究員

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『ソフトウェア特許の経済分析』
新井 泰弘 特別研究員
【報告概要】

 本研究においては、既存の研究では考慮されてこなかった著作権と特許権の経済学的差異に着目し、両知的財産権によって守られる『ソフトウェア』の知的財産権保護について考察する。具体的には、ソフトウェア特許が社会的にどのような影響を与えるのか?また、生産者にとってどのような効果をもたらすかについてシンプルな経済理論モデルを用いて考察を行う予定である。

中間報告会では特に以下のような差異に言及したい。
 1.コピーを作る主体の差 (生産者か消費者か)
 2.権利を得るために満たさなくてはならない要件の差 (革新性が必要か否か)
 3.保護の対象 ("アイデア"か"表現"か)

 本研究は、ソフトウェア特許の有効性という意味だけでなく、経済学上、特許権と著作権をモデル上で区別し、より現実的な観点から知的財産権保護を考えるという意味でも重要なものであると考える。

【報告者紹介】
一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程
平成20年4月より当研究所特別研究員

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『M&Aと企業のイノベーション活動 −合併が企業の出願・審査請求行動に与える影響−』
山内 勇 特別研究員
【報告概要】

 我が国では90年代後半以降、合併等のM&Aが急激に増加してきている。本研究の目的は、こうした合併によって企業の技術開発力や利用能力が高まるのかを財務データ及び特許データを用いて統計的に明らかにすることである。特に、合併がその後の研究開発活動や特許出願・審査請求行動に与える影響を分析する。
 合併によって重複していた研究プロジェクトが一つに統合されることで、研究開発の規模や特許出願件数が低下することが考えられる反面、シナジー効果等により同じ研究開発規模でも技術開発力が高まり、それが特許出願を増加させることも考えられる。したがって、理論的には特許出願・審査請求が増えるかどうかは明らかではなく、実証的な分析が必要になる。
 その際、合併の効果は企業の規模や産業、技術特性など様々な要因によって異なるはずであり、本研究では、そうした様々な要因の影響を取り除き、合併が企業の技術力に与える純粋な効果を抽出することを試みる。

【報告者紹介】
一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程
前財団法人知的財産研究所研究部
平成20年4月より当研究所特別研究員
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