知的財産セミナー
特許庁委託 平成20年度招へい研究者成果報告会のご案内


 (財)知的財産研究所では、特許庁から委託を受けた産業財産権研究推進事業の一環として、欧米やアジア諸国等の産業財産権分野の研究者を招へいし、我が国における今後の産業財産権分野の政策の基礎となる研究テーマについて研究を行わせています。
 この度、平成20年10月より招へいしたルーヴェン大学知的財産権センターの研究者が約2か月の招へい期間を終え帰国の予定です。そこで、研究成果の発表及び参加者との意見交換を行う場を設けるために、研究成果報告会を下記のとおり開催いたしますので、ご案内申し上げます。

――――――――――――― 開  催  内  容 ―――――――――――――

日 時 平成20年12月15日(月) 15:00−16:50 (14:30受付開始)
会 場 (財)知的財産研究所 会議室
東京都千代田区麹町3-4 トラスティ麹町ビル3階
         東京メトロ有楽町線 麹町駅(3番出口)より徒歩1分
         東京メトロ半蔵門線 半蔵門駅(5番出口)より徒歩5分
         JR中央線 四ッ谷駅より徒歩8分
         JR中央線 市ヶ谷駅より徒歩10分
参加費 無料
定 員 60名 (先着順)
プログラム
14:30 受付開始
15:00 開会・主催者あいさつ
15:05−16:35 『Patent Thickets and Refusals to License in the Life Sciences in Japan: Legal Remedies at the Interface between Patent and Competition Law』

『日本における生命科学分野の特許の藪とライセンス拒絶:
特許と競争法の接点における法的救済(仮訳)』


Esther van Zimmeren (エステル・ヴァン ツィメレン) 招へい研究者
(※研究者の発表は英語で行い、日本語の逐次通訳が付きます。)
 
16:35−16:50 質疑応答
16:50 閉会
 ※報告要旨と報告者の紹介は、下記をご覧ください。
申込方法
受付終了いたしました。
◆申込締切 平成20年12月12日(金)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
問合せ先 (財)知的財産研究所 岩井(いわい)
〒102-0083 東京都千代田区麹町3-4 トラスティ麹町ビル3階
 
『Patent Thickets and Refusals to License in the Life Sciences in Japan: Legal Remedies at the Interface between Patent and Competition Law』

『日本における生命科学分野の特許の藪とライセンス拒絶:
特許と競争法の接点における法的救済(仮訳)』

Esther van Zimmeren (エステル・ヴァン ツィメレン) 招へい研究者
【Abstract】

Concerns have been expressed on the growing number of patents in the life sciences. High numbers of patents might cause "patent thickets" and will increase the risk that one of the patentees will refuse to grant a license. These two phenomena might ultimately block R&D and commercialization in the biomedical industry. Is there indeed a patent thicket in the biomedical field in Japan? And are there cases of refusals to license? If so, what are the potential solutions?

This kind of problems is not necessarily solved by way of legislative reforms. Legal instruments which already exist in the patent act (e.g. research exemption, compulsory licenses) and voluntary patent licensing schemes (cross-licenses, patent pools, clearinghouses) might be more appropriate. In addition, there might be a need to further clarify, strengthen or stimulate these instruments. Some of these solutions, such as for instance patent pools are common in other sectors, but have not been established in the life sciences. Intermediaries, such as clearinghouses, already exist, but their role on the market for technology exchange might be further stimulated by policy initiatives.
Both the problems and possible solutions will be reviewed from an innovation policy perspective, in particular from the so-called "open innovation"-paradigm.

【要旨(仮訳)】

生命科学分野において特許の数が増加していることに懸念が示されてきている。特許の数が多くなると、「特許の藪」を生じる可能性があり、それらの特許権者のだれかがライセンスを許諾しないかもしれないというリスクを増加させる。これらの現象は、究極的には、バイオ医薬産業における研究開発と商業化を阻止することになるかも知れない。日本においてバイオ医薬分野に特許の藪は実際にあるのだろうか?また、ライセンス拒絶をした事例があるのだろうか?もし、そうだとすると、取り得る解決策はどのようなものであろうか?

このような問題は、必ずしも法改正によって解決する必要はない。特許法に既に存在する規定(例えば、試験研究の例外、強制実施権)や、任意の特許ライセンスの枠組み(クロスラセンス、特許プール、クリアリングハウス―手形交換所)が、より適切かもしれない。加えて、これらの手段を、更に明確にし、強化し、又は促進する必要があろう。例えば、特許プールなど、これらの解決策の幾つかは他の分野では一般的であるが、生命科学の分野ではまだ確立されていない。クリアリングハウスのような仲介機関は既に存在するが、技術交流の市場におけるその役割は政策主導で更に活性化されなければならないであろう。
これら問題と取り得る解決策は、イノベーション政策の視点、そして、特に、いわゆる「オープン・イノベーション」の枠組みから見直されるであろう。

【略歴】

オランダ・ティルバーグ大学にて法学士、欧州連合法修士及びオランダ法・国際私法修士取得後、ベルギー・ルーヴェン大学にて欧州連合法及び知的財産法LL.M.取得。その後、欧州第一審裁判所Meij(メイ)判事のリーガル・アシスタント等を務める。

現在、ベルギー・ルーヴェン大学知的財産権センター博士課程研究員。

【招へい期間】 平成20年10月30日〜平成20年12月21日(予定)