開催済み 研究成果報告会・セミナー

平成22年5月14日(金)
IIP知財塾 成果報告会

 財団法人知的財産研究所におきましては、知的財産活動の現場を踏まえつつ、社会、国家、国際関係といった大所高所から知的財産制度・運用等の在り方について提言できる人材の育成を目指して、平成17年度より、「IIP知財塾」を開講してまいりました。この「IIP知財塾」は、企業、法曹、行政等の実務の最前線にかかわる方々を塾生とし、現役裁判官の方々にオブザーバーとして参加いただき、知的財産分野の第一線でご活躍されている学識経験者、有識者等を講師(各テーマの講師はこちら)として、研修会を実施する形式にて活動してまいりました。

 この度、以下の要領で、「IIP知財塾」第三期塾生の1年間の活動成果を公表する運びとなりましたので、ここにご案内申し上げます。
皆様、奮ってご参加ください。

日 時 平成22年5月14日(金)13:30~17:35 (13:00 受付開始)
会 場 (財)知的財産研究所 5F 会議室 
東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階
東京メトロ東西線 竹橋駅(3b出口)より徒歩3分
東京メトロ半蔵門線、都営新宿線・三田線 神保町駅(A9出口)より徒歩3分
参加費 賛助会員:無料  一般:8,000円
※(財)知的財産研究所の賛助会員制度
定 員 50名(先着申込順) ※定員に達しました。
プログラム

※1テーマ45分(発表:35分、質疑:10分)

13:00~13:30 受付
13:30~13:40 開会・挨拶
13:40~14:25 (1)進歩性の判断水準の在り方について
14:25~15:10 (2)企業経営に貢献する知的財産活動とその評価
15:10~15:55 (3)知財分野における国際公共政策『遺伝資源等の保護と活用について』
15:55~16:05 休憩(10分)
16:05~16:50 (4)特許権に基づく差止請求権の権利行使の制限
16:50~17:35 (5)ダブルトラック問題解消に向けた立法的提言

申込期限 定員に達しましたので、受付を終了いたしました。
申込方法 受付終了いたしました。
お支払方法 【振込】でお願い致します。
申込受付後「請求書」を郵送いたしますので、速やかにご入金下さい。銀行の振込金受取書をもって「領収書」に代えさせていただきます。
なお、参加費入金後の払い戻しはいたしません。
問合せ先

(財)知的財産研究所
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階

※請求書、お支払、参加証についてのお問い合わせ   杦山(すぎやま)
Tel:03-5281-5673; Fax:03-5281-5676;
※セミナー内容等についてのお問い合わせ   阿部(あべ)、井川(いかわ)
Tel:03-5281-5672; Fax:03-5281-5676;

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(1)進歩性の判断水準の在り方について
河村 慎一 ( 株式会社リコー 法務・知財本部 企画室 弁理士)
酒井 俊之 (創成国際特許事務所 弁理士
平山 晃二 (ユアサハラ法律特許事務所 弁理士)
横井 巨人 (特許庁 特許審査第一部 ナノ物理 審査官)
 【概要】

発明の奨励、産業の発達という法目的のために、特許取得の分水嶺ともいえる進歩性要件の判断水準はいかなる要素をどのように考慮して設定すべきであろうか。現状を維持すべき、高くすべき、低くすべき等、種々の指摘は意見者の立場の相違を反映することが多く、実証的データが存在しないこととも相俟って、進歩性の判断水準を設定すること、その結果生じる影響について検討することは難しい。本研究では、進歩性の判断水準の在り方を分析するための要素を検討することを企図する。具体的には、進歩性要件に関する法律・規則の変遷と諸外国の動向を概観し、複数の機関(裁判所と特許庁)が判断主体となり得る特殊性から顕在する問題をルール/スタンダード論に基いて整理する。次いで、進歩性要件の意義の合目的的確認を基礎とし、(1)発明自体によって進歩性の判断水準の影響は異なるのでないかという視点に基づくパイオニア発明と改良発明からのアプローチ、(2)技術分野によっても進歩性の判断水準の影響は異なるのではないかという視点に基づくイノベーションと知財に関する理論からのアプローチから、進歩性の判断水準の在り方を分析するための要素を検討する。

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(2)企業経営に貢献する知的財産活動とその評価
橋爪 美早子 (弁理士)
長谷川 卓也 (長谷川綜合法律事務所 所長・弁護士)
宮田 繁仁 (特許庁 特許審査第四部電話通信 審査官)
【概要】

本研究は、企業経営に貢献する知的財産活動の在り方を、ケーススタディおよびそれを敷衍して行う一般的考察を通じて検討し、企業経営に貢献する知的財産活動の実現手段を提案することを試みるものである。
具体的には、先ず化学業界における事実を参考にしたバリューチェーンのモデルケースにおける知的財産活動を取り上げ、事業目的に合致した知的財産活動が行なえているかどうか検証を行った。次いで、ケーススタディに基づいてバリューチェーンにおける各ステージの知的財産活動の望ましいあり方の一般論化を試みた。

ケーススタディ及び一般的考察の結果、企業経営における知的財産活動は次のような在り方であるべきことが明らかとなった。①知的財産活動は事業活動を一要素として支える位置づけであり、事業活動の目的に合目的的である必要があることを経営者、事業部門、知財部門とも理解すべきである。②経営者や事業責任者に知的財産活動の内容が見える体制(会議体参画)を構築し、事業部門と知的財産部門が一体化したPDCAサイクルを実施するべきである。③知的財産活動の評価と、これに基づく知的財産部門の体制の整備や活動計画の策定は、コストセンターとしての性格が大きいことを意識して行うべきで、すなわち事業活動との整合性・影響といった観点から評価すべきである。

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(3)知財分野における国際公共政策『遺伝資源等の保護と活用について』
大槻 真紀子(志賀国際特許事務所 弁理士)
竹元 利泰 (第一三共株式会社 知的財産部 特許第一グループ 主査・弁理士)
東崎 賢治 (長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
中野 宏和 (特許庁 特許審査第二部 一般機械 審査官)
【概要】

遺伝資源の活用は医薬品開発等のために必要不可欠なものである。しかし、途上国の遺伝資源に対するアクセス制限的な動きは、世界的なイノベーションを阻害するのではないかと懸念されている。そこで、このような状況を打開するべく、遺伝資源の保護と活用の新たな枠組みについて提案を行うこととした。

検討は、「我が国の事業者が事業活動を円滑に行えるようにしたい」という視点に立ち、主に、遺伝資源のアクセスの促進、不正な取引の防止、利益配分等契約の適正性・履行の確保、遺伝資源の出所開示のあり方、について行った。まず遺伝資源のアクセス促進に向け、各国が備えるべきミニマムスタンダードとして「アクセス標準」を提案した。次に資源国が「アクセス標準」を満たす制度を設けるインセンティブに繋がるとの認識から、国際的に不正な取引防止に取組むことを提案した。また契約の適正性・履行の確保に向け、産業セクター別等のモデル契約の必要性、仲裁の活用に言及した。さらに遺伝資源の出所開示は、特許要件とはなり得ないとの立場から提案を行った。

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(4)特許権に基づく差止請求権の権利行使の制限
岩坂 誠之 (富士フィルム株式会社 知的財産本部 知財技術部 弁理士)
黒田 薫 (阿部・井窪・片山法律事務所 法律部門 弁護士・弁理士)
野口 明男 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
【概要】

近年、製品の多機能化や他社製品の機能を利用した製品の増加に伴い、従来のクローズド・イノベーションに基づく製品開発からオープン・イノベーションに基づく製品開発への移行が活発化している。このような状況の中、侵害者等に対する差止請求権の行使を認めた特許法100条の原則を形式的に適用することが、このオープン・イノベーションへの移行を阻害する可能性があり、結果として産業発達の促進という法目的に反する場合が生じてきている。そこで、そのような場合には、差止請求権の行使を原則通りに認めるのではなく、一定の要件の下、実施者に対する差止請求権の行使を制限する必要があるものと考えられる。

本研究は、そのような差止請求権の権利行使を制限すべき場合の具体例と、権利行使の制限の要件について検討した。

その結果、権利行使を制限すべき類型として、
第1類型:特許発明に係る構成の製品に与える影響が極端に小さいとき
第2類型:特許発明が技術標準に組み込まれたものであるとき
第3類型:特許発明が第三者からの購入品に関係するとき
を指摘するとともに、各類型における権利行使の制限の要請に対する立法的な手当として、それぞれの類型について権利行使の制限を定めた規定の条文案を提示するものである。

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(5)ダブルトラック問題解消に向けた立法的提言
大月 雅博 (阿部・井窪・片山法律事務所 法律部門 パートナー・弁護士)
阪野 誠司 (特許庁 特許審査第三部高分子 上席審査官)
平出 貴政 (長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
【概要】

近時、様々な団体において議論がなされているダブルトラックの在り方について、問題の所在を踏まえて、国内外における実態や検討状況を調査し、その上で、問題解消に向けた立法的提言ができないかということについて、検討を行った。

検討に際しては、特許法改正の沿革や代表的な裁判例に関する考察が不可欠であると思料し、冒頭Ⅰ.において、その点に言及している。更に、この問題に対する立法的提言を行うに際し、有益と思われるソースとして、Ⅱ.において各国の制度を、Ⅲ.においてダブルトラック問題に関する国内諸団体の検討状況を、それぞれ簡潔に紹介している。

その上で、Ⅳ.以降において、私たちの考える、ダブルトラック問題解消に向けた立法的提案(具体的な立法文言を含む。)について、提案の根拠も示しながら、説明を行う。

このセミナーは競輪の補助金を受けて開催いたしました。

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