開催済み 研究成果報告会・セミナー

平成23年5月26日(木)
IIP知財塾 成果報告会

 一般財団法人知的財産研究所におきましては、知的財産活動の現場を踏まえつつ、社会、国家、国際関係といった大所高所から知的財産制度・運用等の在り方について提言できる人材の育成を目指して、平成17年度より、「IIP知財塾」を開講してまいりました。この「IIP知財塾」は、企業、法曹、行政等の実務の最前線にかかわる方々を塾生とし、現役裁判官の方々にオブザーバーとして参加いただき、知的財産分野の第一線でご活躍されている学識経験者、有識者等を講師(各テーマの講師はこちら)として、研修会を実施する形式にて活動してまいりました。

 この度、以下の要領で、「IIP知財塾」第四期塾生の1年間の活動成果を公表する運びとなりましたので、ここにご案内申し上げます。
皆様、奮ってご参加ください。

日 時 平成23年5月26日(木)13:30~17:35 (13:00 受付開始)
会 場 大手町ファーストスクエアカンファレンス ルームD 
  東京都千代田区大手町1-5-1  ファーストスクエアイーストタワー2F
  ■大手町駅(C8/C11/C12 出口直結)
     ・東京メトロ 千代田線 / 東西線 / 半蔵門線 / 丸の内線
     ・都営地下鉄 三田線
  ■東京駅(丸の内北口 4分) ・JR
  アクセスマップ : http://www.1ofsc.jp/access/
  (ダウンロード) : http://www.1ofsc.jp/include/pdf/ofsc_access.pdf
  2F会場レイアウト : http://www.1ofsc.jp/outline/layout.php
参加費 賛助会員:無料  一般:8,000円
※(財)知的財産研究所の賛助会員制度
定 員 42名(先着申込順)
プログラム

※1テーマ45分(発表:35分、質疑:10分)

13:00~13:30 受付
13:30~13:40 開会・挨拶
13:40~14:25 (1)技術標準化制度の問題点とその改善のための考察
14:25~15:10 (2)サポート要件・実施可能要件のパラメータ発明への適用について
15:10~15:55 (3)より適切なライセンス制度の構築について
15:55~16:05 休憩(10分)
16:05~16:50 (4)日本出願人の海外での競争力強化のための国際的な制度・運用の在り方について
16:50~17:35 (5)ビルスキー事件最高裁判決と特許適格性判断

申込期限 平成23年5月24日(火)
申込方法 受付終了いたしました。
お支払方法 【振込】でお願い致します。
申込受付後「請求書」を郵送いたしますので、速やかにご入金下さい。銀行の振込金受取書をもって「領収書」に代えさせていただきます。
なお、参加費入金後の払い戻しはいたしません。
問合せ先

(財)知的財産研究所
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階

※請求書、お支払、参加証についてのお問い合わせ   杦山(すぎやま)
Tel:03-5281-5673; Fax:03-5281-5676;
※セミナー内容等についてのお問い合わせ   川畑(かわはた)、井川(いかわ)
Tel:03-5281-5672; Fax:03-5281-5676;


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(1)技術標準化制度の問題点とその改善のための考察
池田 毅 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
一宮 誠 (特許庁特許審査第一部ナノ物理 審査官)
白洲 一新 (白洲知的財産権事務所 所長)
永塚 広明 (株式会社リコー 法務・知財本部)
 【概要】

経済のグローバル化が進展し、企業に取って国際標準の獲得と知的財産の活用が国際競争力を向上するために重要である。しかしながら統一的な標準化アプローチは存在せず、技術(製品)及び市場の特性に応じた標準化戦略が必要である。

標準化にあたっては、従来よりアウトサイダー及びホールドアップが大きな問題となっているが、今のところ抜本的な解決策はない。そこで本研究では、第三世代携帯電話を事例としてフォーラム標準における問題点の検討と改善策を提案する。

また中国などの新規・巨大市場の台頭を考えれば、国際標準だけでなくマーケット重視で単一国ごとに企業が利益を獲得することも重要である。そこで光触媒の試験・評価方法を事例として類似製品が混在する新規市場を整備・拡大するための標準化戦略について提案する。

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(2)サポート要件・実施可能要件のパラメータ発明への適用について
網代 伸子 (株式会社帝人知的財産センター)
田名部 拓也 (特許庁審判部第21部門(医療) 審判官)
谷口 信行 (中村合同特許法律事務所 弁理士)
中川 彰子 (太陽国際特許事務所 弁理士)
【概要】

パラメータ発明に関して、日本ではサポート要件・実施可能要件が厳しく適用されているため、実施例レベルの狭いクレームでしか特許が認められず、研究開発のインセンティブが損なわれているのではないかという問題意識のもと、検討を行った。

サポート要件について、筆者らは、発明を実効的に保護するためには、特許請求の範囲の記載が、明細書のサポート要件に適合するか否かは、「課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か」ではなく、「発明の詳細な説明において開示された技術的事項の範囲を超えているか否か」を検討して判断すべきではないかと考える。また、特許請求の範囲の解釈についても、既存の技術から一定の効果を奏するものを選び出し、下限又は上限のみを決めた発明については、その上限又は下限は技術的におのずと決まってくる(例えば効果がある)ところまでクレームされていると解釈するほうが自然ではないかと考える。

一方、実施可能要件については、現行の判断基準は変更する必要はないものの、事案への当てはめの際に、より丁寧な検討が必要であると考える。

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(3)より適切なライセンス制度の構築について
坂本 英樹 (ファイザー株式会社 知的財産部)
古川 裕実 (長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
牧 恵美子 (阿部・井窪・片山法律事務所 弁護士)
【概要】

現行特許法上、通常実施権は、登録がない限り特許権の譲受人等に対抗することができない。しかし、通常実施権の登録はほとんど行われておらず、制度に対する批判も多い。そこで、政府は、登録対抗制度を廃止し、当然対抗制度を導入する特許法の改正案を近時国会に提出している。

ただ、改正法案は、当然対抗制度下の通常実施権者と特許権等の譲受人との権利義務関係について明確にしておらず、十分な議論もなされていない。

そこで、本研究では、この点に関する理論的検討と事例分析を行い、通常実施権を特許権の譲受人等に対抗できる場合は、通常実施権者と特許権の譲受人等との間に従前のライセンス契約がそのまま承継されるべきとの結論に至った。

本稿では、その検討過程を詳述すると共に、当然対抗制度導入により想定される問題点を考慮し、相当なライセンス対価を定める制度の新設、当然対抗制度導入後のライセンス契約の在り方について提言する。

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(4)日本出願人の海外での競争力強化のための国際的な制度・運用の在り方について
小田 哲明 (立命館大学大学院 准教授)
中田 裕人 (長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
原 泰造 (特許庁特許審査第二部搬送組立 審査官)
【概要】

我が国の海外での競争力強化のためには、日本出願人が海外において特許が円滑に取得できることが非常に重要なファクターである。しかし、パリ条約、PCT等の既存の制度・運用だけでは、各国への翻訳が必要であることや各国毎に審査の判断が統一されていないことなど、必ずしも低コストかつ効率的にグローバルな権利取得が行えていない側面もあるのが現状である。そこで本研究においては、まずは、我が国出願人が海外での権利取得を行う際にどのようなニーズがあるのかについて代表的な業種毎に検討を行った。その上で、各業種毎の課題を集約した結果、日本出願人が海外での競争力をより一層強化するためにはどのような制度・運用のあり方が望ましいかに関し、特に、①PCTにおける言語問題、②PCTを活用したオフィスアクションの低減、③PPHの有効活用、これらの国際的な制度・運用を中心に、④簡易出願制度、⑤審査タイミングを選択可能とする制度、これらの国内制度も含め、検討を行い、我が国の産業競争力強化のための制度・運用のあり方について提案を行うこととしたい。

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(5)ビルスキー事件最高裁判決と特許適格性判断
石丸 昌平 (政策研究大学院大学 准教授(元特許庁 審判部 第32部門 審判官))
岩崎 直子 (大洋薬品工業株式会社 事業開発本部 知財法務部 グループリーダー 課長)
服部 謙太朗 (竹田綜合法律事務所 弁護士)
山口 裕司 (ユアサハラ法律特許事務所 弁護士)
【概要】

ビジネス方法発明の特許適格性が争われた2010年のビルスキー事件最高裁判決は、それ自体として特許適格性が認められる範囲についての明確な指針を示すものではなかったが、特定の技術分野についてカテゴリカルに特許適格性を否定する考え方を採用せず、また従前の最高裁判決が定立したいわゆる機械又は変換テストは唯一の判断基準ではないとして、特許適格性判断に関する基準が、未知の発明や新たな技術の権利化を阻害することのないよう配慮した。ビルスキー事件最高裁判決は、ビジネス方法発明やソフトウェア発明のみならず、遺伝子発明や治療方法発明の分野においても特許適格性の議論を巻き起こすと共に、欧州等の特許庁やWIPOにも影響を与えている。審査協力や法制度の調和が進む中で、ビルスキー事件最高裁判決は、日本法及び審査実務においても多くの示唆を与えるものであり、引き続き諸外国の判決等を注視すると共に、法改正や審査基準の改訂等の参考にする必要がある。

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