開催済み 研究成果報告会・セミナー

2011年11月10日、11日
知的財産セミナー 特許庁委託 平成23年度特別研究員 中間報告会の御案内

一般財団法人知的財産研究所では、特許庁から委託を受けた産業財産権研究推進事業の一環として、産業財産権分野を専門とする若手研究者を特別研究員として1年間採用し、今後の産業財産権分野に関する政策立案の基礎となり得るテーマについて研究する機会を提供することにより、我が国の将来を担う産業財産権分野の研究者の育成を図る研究者育成事業を実施しております。

今回、研究期間の中間において、6名の研究員のこれまでの研究成果の発表及び参加者の方々との意見交換を行う場を設けるために、次のとおり、中間報告会を開催いたしますので、御案内申し上げます。

日 時 平成23年11月10日(木)・11日(金)それぞれ13:00-16:15(12:30受付開始)
会 場 一般財団法人知的財産研究所 5階会議室 (地図
東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階
          東京メトロ東西線 竹橋駅(3b出口)より徒歩4分
          東京メトロ半蔵門線、都営新宿線神保町駅より徒歩8-10分
          都営三田線 神保町駅(A9出口)より徒歩3分
参加費 無料
定 員 各報告ごと60名 (先着順)
プログラム

【平成23年11月10日(木) 13:00-16:15】

12:30 受付開始
13:00 開会・主催者挨拶
13:05-14:05 『特許制度改正が医薬品産業におけるイノベーションに与える影響』
小坂 賢太 特別研究員
14:05-15:05 『先使用権の根拠論に関する比較法研究(英米法を中心に)』
武生 昌士 特別研究員
15:05-15:15 休憩
15:15-16:15 『特許法103条と責任法上の注意義務-産業財産権法の過失の推定規定の再検討-』
露木 美幸 特別研究員
16:15 閉会

【平成23年11月11日(金) 13:00-16:15】

12:30 受付開始
13:00 開会・主催者挨拶
13:05-14:05 『商標法と消費者保護-日本・中国・韓国の標識制度の比較研究を中心に-』
井手 李咲 特別研究員
14:05-15:05 『近代日本の産業財産権政策-パリ条約加盟をめぐる日英米の政治過程の分析-』
靏岡 聡史 特別研究員
15:05-15:15 休憩
15:15-16:15 『知的財産権侵害の準拠法と不法行為準拠法との関係』
種村 佑介 特別研究員
16:15 閉会

※各報告は、発表45分、質疑応答10分、指導官講評5分の予定です。

申込方法 受付終了いたしました。
申込締切り 平成23年11月9日(水)
※各報告ごとに定員に達し次第受付を締め切り、以降のお申込みはキャンセル待ちとさせていただきます。
問合せ先 一般財団法人知的財産研究所 岩井(いわい)
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階
Tel:03-5281-5672;   Fax:03-5281-5676;

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『特許制度改正が医薬品産業におけるイノベーションに与える影響』
小坂 賢太 特別研究員
【報告概要】

医薬品産業において、新薬の開発は多額の費用と時間が掛かる上に、成功率も低い。一方で、模倣するにはそれほど費用が掛からない。このため、医薬品産業で新薬開発のインセンティブを確保するには、特許制度が極めて重要になる。この研究の目的は、このように特許制度が極めて重要になる医薬品産業において、特許制度改正が、企業のイノベーション活動にどのような影響を与えるのかを実証的に検証することにある。具体的には、企業の財務データ、特許データを用いながら、日本における1976年の物質特許の導入や1988年に導入された特許権の存続期間の延長制度といった特許制度改正が、企業の特許戦略やイノベーション活動に与えた影響を計量経済学の手法を用いて定量的に評価する。中間報告会では、分析データと分析方法に関する説明と、1976年の物質特許の導入が与えた影響についての暫定的な分析結果を中心に報告する予定である。

【報告者紹介】

東京大学大学院経済学研究科博士課程満期退学、平成23年4月より当研究所特別研究員

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『先使用権の根拠論に関する比較法研究(英米法を中心に)』
武生 昌士 特別研究員
【報告概要】

「ある発明に関してAが特許出願をなしたが、Aによる出願よりも前に、Bが、Aとは独立に同一の発明をし、当該発明を用いた製品を製造・販売していた。Aに特許は付与されるか(Aの特許は無効となるか)。Aに有効な特許が付与される場合、Bは製造販売をAへの特許付与後も継続できるか。」このような問題に対して、我が国の特許法は、①Bの製造販売により発明の新規性(特許法29条1項)が失われている場合、Aには特許が付与されず、Bは製造販売を継続可能、②新規性が失われていない場合、Aには特許が付与されるが、Bは先使用権(同79条)の範囲内で製造販売を継続可能、との解決を採用している。しかしながら、歴史的・比較法的に見た場合、上記解決は唯一のものではない。1977年改正よりも前の古典的英国法、及び2011年改正前の米国法は、我が国とは異なる解決の仕方を採用していた。この研究は、これらの法制が、いかなる考慮に基づいて、先使用者と特許権者との間の法的規律について我が国現行法と異なる立場を採用していたのかを探究し、翻って、我が国の先使用権制度及びその根拠論が持つ特質を明らかにしようとするものである。この報告では、研究の全体像を概括的に提示することとしたい。

【報告者紹介】

東京大学大学院法学政治学研究科博士課程満期退学、東京大学グローバルCOEプログラム「国家と市場の相互関係におけるソフトロー」特任研究員を経て、平成23年4月より当研究所特別研究員

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『特許法103条と責任法上の注意義務-産業財産権法の過失の推定規定の再検討-』
露木 美幸 特別研究員
【報告概要】

この研究は、特許法103条の過失の推定規定を研究することにより、当該規定が実施者に対してどの程度まで調査義務を尽くすことを要求しているのかにつき解明することを目的とする。さらに、産業財産権法の損害賠償責任に係る規定の歴史的変遷を俯瞰することにより、過失責任主義による道徳的非難可能性から権利の相互保障機能へと向かう我が国の民法における責任法の変遷の道程が、産業財産権法制度のリードの下でも生成・展開されてきた過程を検討する。また、産業財産権法においては、道徳的非難可能性が損害賠償額にも影響を与え得るものであることから、責任法の新たな機能についても検討する。この研究において、調査義務の外延と内包が明らかになることにより、企業がいかなる実務的対応をすべきかを解明することができよう。さらに、中小企業にまで高度の注意義務を負わせるのかという疑問に対しては、判定制度の活用による免責の可能性を提案する。

【報告者紹介】

専修大学大学院法学研究科民事法学専攻博士後期課程、金沢工業大学大学院工学研究科知的創造システム専攻修士課程、平成23年4月より当研究所特別研究員

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『商標法と消費者保護-日本・中国・韓国の標識制度の比較研究を中心に-』
井手 李咲 特別研究員
【報告概要】

商標は、事業者と消費者の間において商品(又は役務。以下「商品等」と略す。)の情報伝達を行う重要なツールであり、その商品等の出所、品質等の情報は消費者に伝えられる。また、品質保証に係る情報については、認証マークによる情報の表示が普及して、商標との併用が進み、また、流通形態が多様化するにつれて、商品等に附帯する他の情報の表示(例えば、「国産」等)も組み合されるようになって、事業者と消費者間の情報伝達のツールは、構造化しつつあるといえる。しかしながら、発信者としての事業者と受信者としての消費者の間に情報の不完全性が発生している場合、受け手に生じている誤認は見過ごすことができない問題であると考える。商品等の特性、産地、製造者、品質等に関する表示が適正に構造化されることは、消費者保護という次元から重要である。この研究では、消費者保護の観点から現行の標識制度体系の問題点を整理する。比較事例として日本、中国、韓国を取り上げる。その上で、消費者保護アプローチに基づく情報伝達の構造化が望ましいと考える場合、商標を含む標識制度に関して、解釈上の課題、さらには、品質保証という機能の制度間の齟齬等について指摘をする。

【報告者紹介】

青山学院大学大学院法学研究科博士後期課程在学、平成23年4月より当研究所特別研究員

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『近代日本の産業財産権政策-パリ条約加盟をめぐる日英米の政治過程の分析-』
 靏岡 聡史 特別研究員
【報告概要】

明治の文明開化以降、日本は早急に近代化を達成するため、欧米諸国の優れた科学技術を積極的に導入し、国内産業の振興を図ってきたことが言及されてきた。しかし、その後、日本がどのように国内産業を振興し、海外進出を図ろうとしていたのかについては、余り多くの注目を集めてこなかった。特に、明治32年(1899年)のパリ条約加盟については、日本が本格的に国際競争に参加することになった出来事であったが、どのような経緯を経て、日本がこの条約に加盟することになったのかについては依然として明らかにされていないことが多い。そこで、この研究では、その経緯を明らかにすることにより、激しい競争が繰り広げられていた国際社会の中で、日本がどのように国内産業を振興し、海外進出を図ろうとしていたのかについて、今後の産業財産権制度を立案する上での一つのモデルケースを提供したい。この中間報告会では、主にこれまでの研究結果から明らかになった日英外交交渉の経緯と今後の展望について報告する。

【報告者紹介】

慶應義塾大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学、平成23年4月より当研究所特別研究員

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『知的財産権侵害の準拠法と不法行為準拠法との関係』
 種村 佑介 特別研究員
【報告概要】

知的財産権侵害を不法行為と法性決定する場合、不法行為の準拠法が適用される。不法行為の準拠法について、我が国の法の適用に関する通則法(以下、「法適用通則法」という。)は、単位法律関係の類型化や連結点の柔軟化を通じて柔軟に準拠法を決定する。このような法適用通則法における不法行為準拠法選択規則が知的財産権侵害に適用される場合には、どのようなことを考えなければならないか。とりわけ、知的財産権一般を支配しているとされるいわゆる属地主義の原則、及び同原則が抵触法に与えている影響との関係では、どう捉えたらよいのか。この研究では、不法行為準拠法の柔軟化によって知的財産権侵害に対する取扱いがどのように変化するのかについて、英米法諸国の議論を参考に検討を加える。中間報告会では、準拠法選択の前段階となる国際裁判管轄をめぐる議論、とりわけ外国知的財産権侵害訴訟における英国裁判所の管轄権の制限理論に焦点を当てて考察する。

【報告者紹介】

早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程修了 博士(法学)、平成23年4月より当研究所特別研究員

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