開催済み 研究成果報告会・セミナー

2012年3月13日
知的財産セミナー 特許庁委託 平成23年度特別研究員 研究成果報告会の御案内

一般財団法人知的財産研究所では、海外の知財情勢に精通している方をお招きし、海外での知的財産に係る制度運用の動向や注目判決等を皆様にご紹介する活動を行っております。このたび、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)の海外知的財産プロデューサーである茂木裕之氏に海外進出企業等への知財に関する支援を行うことで得られた経験からアジアにおける知財の活用とリスクについてご講演を頂くことになりましたので、御案内いたします。皆様、奮ってご参加下さい。

日 時 平成24年3月13日(火)10:00-17:45
(9:40受付開始・開場 これ以前には入場できない場合があります。)
会 場 日経カンファレンスルーム
東京都千代田区大手町一丁目3番7号日経ビル6階
   ※3階日経ホールとお間違いないよう御注意ください。 
   ※会場まではエスカレータでは行けませんので日経ビル側EVをご利用ください。
東京メトロ ◆千代田線 「大手町駅」中央改札より徒歩約4分
◆丸ノ内線 「大手町駅」鎌倉橋方面改札より徒歩約5分
◆半蔵門線 「大手町駅」大手町方面改札より徒歩約5分
◆東西線 「竹橋駅」4番出口より徒歩約2分
「大手町駅」中央改札より徒歩約9分
都営地下鉄◆三田線 「大手町駅」大手町方面改札より徒歩約6分
無料巡回バス 「丸の内シャトル」「日経ビル」下車
参加費 無料
定 員 各報告ごと150名 (先着順)
プログラム
9:40 受付開始
10:00 開会・主催者挨拶
10:05-11:10 『近代日本の産業財産権政策-パリ条約加盟をめぐる日英米の政治過程の分析-』
靏岡 聡史 特別研究員
11:10-12:15 『商標法と消費者保護-日本・中国・韓国の標識制度の比較研究を中心に-』
井手 李咲 特別研究員
12:15-13:15 休憩(60分)
13:15-14:20 『特許制度改正が医薬品産業におけるイノベーションに与える影響』
小坂 賢太 特別研究員
14:20-15:25 『知的財産権侵害の準拠法と不法行為準拠法との関係』
種村 佑介 特別研究員
15:25-15:35 休憩(10分)
15:35-16:40 『特許法103条と責任法上の注意義務-産業財産権法の過失の推定規定の再検討-』
露木 美幸 特別研究員
16:40-17:45 『先使用権の根拠論に関する比較法研究(英米法を中心に)』
武生 昌士 特別研究員
17:45 閉会

※各報告は、発表50分、質疑応答10分、指導官講評5分の予定です。

申込方法 受付終了いたしました。
申込締切り 平成24年3月12日(月)
※報告ごとに定員に達し次第受付を締め切り、以降のお申込みはキャンセル待ちとさせていただきます。
問合せ先 一般財団法人知的財産研究所 岩井(いわい)
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階
Tel:03-5281-5672;   Fax:03-5281-5676;

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『近代日本の産業財産権政策-パリ条約加盟をめぐる日英米の政治過程の分析-』
靏岡 聡史 特別研究員
【報告概要】

明治の文明開化以降、日本は早急に近代化を達成するため、欧米諸国の優れた科学技術を積極的に導入し、国内産業の振興を図ってきたことが言及されてきた。しかし、その後、日本がどのように国内産業を振興し、海外進出を図ろうとしていたのかについては、余り多くの注目を集めてこなかった。特に、明治32(1899)年のパリ条約加盟については、日本が本格的に国際競争に参加することになった出来事であったが、その詳細な経緯については依然として明らかにされていないことが多い。そこで、この研究では、日本のパリ条約加盟をめぐる政治過程を通じて、近代日本が、激しい競争が繰り広げられていた国際社会の中で、どのように国内産業を振興し、海外進出を図ろうとしていたのかについて明らかにすることにより、今後の産業財産権制度を立案する上での一つのモデルケースを提供したい。この報告会では、特に日英両国の外交交渉に着目し、新たに英国側の外交文書も用いて報告する。

【報告者紹介】

慶應義塾大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学、平成23年4月より当研究所特別研究員

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『商標法と消費者保護-日本・中国・韓国の標識制度の比較研究を中心に-』
井手 李咲 特別研究員
【報告概要】

商標は、事業者の提供する商品又はサービス(以下、「商品等」と略す。)に関する出所、特性などの情報を消費者に伝える役割も果たしている。一方、商品等の流通は、対面売買から、小売・卸売業者等仲介者や、インターネット等を介する形に変容しつつあり、その結果、事業者と消費者との距離が離れ、コミュニケーションの機会が減少し、両者の間の商品等に関する情報の不完全性が増大している。また、事業者は、認証・証明マークやその他の標識を使用して、商品等の付随的な情報(例えば、産地、成分等)を商品等に表示するようになった。これらの標識は、商標との併用が増え、情報伝達ツールとして構造化されつつある。このような情報の不完全性や商標と標識の構造化が生じていることにより、商標法を始めとする標識に関わる制度に求められる保護の内容は変質しているが、現行制度は、相互の調和を欠き、構造化への対策も十分にはなされていないため、そのニーズに十分に応えられていない。そのため、早急に、標識制度間の調和を図る必要がある。同種の問題は、中国と韓国においても発生しており、これらの国で生じた事例を分析することは、日本の標識制度改正に対しても重要な示唆を与えるものと考える。

【報告者紹介】

青山学院大学大学院法学研究科博士後期課程在学、平成23年4月より当研究所特別研究員

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『特許制度改正が医薬品産業におけるイノベーションに与える影響』
小坂 賢太 特別研究員
【報告概要】

医薬品産業において、新薬の開発は多額の費用と時間が掛かる上に、成功率も低い。一方で、新薬を模倣するには、新薬の開発ほどには費用が掛からない。このため、医薬品産業で新薬開発のインセンティブを確保するには、特許制度が極めて重要になる。この研究の目的は、このように特許制度が極めて重要になる医薬品産業において、特許制度改正が、企業のイノベーションにどのような影響を与えるのかを実証的に検証することにある。具体的には、企業の財務データ、特許データを用いながら、日本における1976年の物質特許の導入が、企業のイノベーションに与えた影響を定量的に評価していく。評価手法としては、Difference-in-differencesと呼ばれる手法を用いて、日本の製薬会社の研究開発費と物質特許件数の変化を、既に物質特許制度が導入されていた米国の製薬会社の研究開発費と物質特許件数の変化を比較することで、物質特許導入が日本の製薬会社のイノベーションに与える影響を検証している。

【報告者紹介】

東京大学大学院経済学研究科博士課程満期退学、平成23年4月より当研究所特別研究員

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『知的財産権侵害の準拠法と不法行為準拠法との関係』
種村 佑介 特別研究員
【報告概要】

知的財産権侵害を不法行為と法性決定する場合、不法行為の準拠法が適用される。不法行為の準拠法について、我が国の法の適用に関する通則法(以下、「法適用通則法」という)は、単位法律関係の類型化や連結点の柔軟化を通じて柔軟に準拠法を決定する。このような法適用通則法における不法行為準拠法選択規則が知的財産権侵害に適用される場合には、どのようなことを考えなければならないか。とりわけ、知的財産権一般を支配しているとされる、いわゆる「属地主義の原則」、及び同原則が抵触法に与えている影響との関係では、どう捉えたらよいのか。この研究は、不法行為準拠法の柔軟化によって知的財産権侵害に対する取扱いがどのように変化するのかについて、英米法諸国、とりわけ英国における議論の変遷を軸として検討を加えていくものである。

【報告者紹介】

早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程修了 博士(法学)、平成23年4月より当研究所特別研究員

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『特許法103条と責任法上の注意義務-産業財産権法の過失の推定規定の再検討-』
露木 美幸 特別研究員
【報告概要】

この研究は、特許法103条の過失の推定規定の立法経緯、立法趣旨及びその運用を研究することにより、現代社会において103条が内包する問題点と、在るべき特許調査義務の姿を探求することを目的とするものである。その過程において、産業財産権の侵害規定の立法経緯とその変遷を調査し、我が国民法の不法行為についての過失責任主義とその変遷との関係性を指摘する。また外国知的財産法制度との比較から、知的財産権の強化が権利侵害規定の制度設計によっても実現し得ることを示す。さらに、責任法の損害の填補的機能、制裁的機能、損害抑止的機能及び権利の相互保障機能の実現が産業財産権法の下で生成・展開されてきたことを明らかにする。

【報告者紹介】

専修大学大学院法学研究科民事法学専攻博士後期課程単位取得退学、金沢工業大学大学院工学研究科修士課程在学、平成23年4月より当研究所特別研究員

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『先使用権の根拠論に関する比較法研究(英米法を中心に)』
武生 昌士 特別研究員
【報告概要】

「ある発明に関してAが特許出願をなしたが、Aによる出願よりも前に、Bが、Aとは独立に同一の発明をし、当該発明を用いた製品を製造・販売していた。Aに特許は付与されるか(Aの特許は無効となるか)。Aに有効な特許が付与される場合、Bは製造販売をAへの特許付与後も継続できるか。」このような問題に対して、我が国の特許法は、①Bの製造販売により発明の新規性(特許法29条1項)が失われている場合、Aには特許が付与されず、Bは製造販売を継続可能、②新規性が失われていない場合、Aには特許が付与されるが、Bは先使用権(同79条)の範囲内で製造販売を継続可能、との解決を採用している。しかしながら、歴史的・比較法的に見た場合、上記解決は唯一のものではない。1977年改正よりも前の古典的英国法、及び2011年改正前の米国法は、我が国とは異なる解決の仕方を採用していた。この研究は、これらの法制が、いかなる考慮に基づいて、先使用者と特許権者との間の法的規律について我が国現行法と異なる立場を採用していたのかを探究し、翻って、我が国の先使用権制度及びその根拠論が持つ特質を明らかにしようとするものである。この報告では、米国における特許制度と営業秘密保護制度との関係をめぐる議論なども踏まえつつ、研究の全体像を提示する。

【報告者紹介】

東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了 博士(法学)、平成23年4月より当研究所特別研究員

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