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開催済み 研究成果報告会・セミナー

2013年10月17日
特許庁委託 産業財産権研究推進事業 平成25年度特別研究員 中間報告会

一般財団法人知的財産研究所では、特許庁から委託を受け、我が国の制度ユーザーのニーズに即した国内外の産業財産権制度の構築を推進するために、制度設計・運用の改善に向けた議論や国際的な制度調和に向けた議論を行う基盤を整備することを目的とする産業財産権研究推進事業を実施しています。その一環として、今後我が国をリードする研究者を特別研究員として1年間採用し、制度調和や制度整備が中期的に必要となる産業財産権制度に関する研究テーマについて研究する機会を提供しています。

この度、6名の研究員のこれまでの研究成果の発表及び参加者の方々との意見交換を行う場を設けたく、次のとおり、中間報告会を開催いたしますので、御案内申し上げます。ご都合がつきます方は是非ともご参加ください。

日 時 平成25年10月17日(木)10:00-17:25
(9:30受付開始・開場 これ以前には入場できない場合があります。)
会 場 一般財団法人知的財産研究所 5階会議室 (地図
東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階
          東京メトロ東西線 竹橋駅(3b出口)より徒歩4分
          東京メトロ半蔵門線、都営新宿線神保町駅より徒歩8-10分
          都営三田線 神保町駅(A9出口)より徒歩3分
参加費 無料
定 員 各報告の定員は60名 (先着順)
プログラム
9:30 受付開始
10:00 開会・主催者挨拶
10:05-11:05 『知的財産制度と企業の研究開発』
藤原 綾乃 特別研究員
11:05-12:05 『特許が産業に与える経済効果の計量分析-日本の自動車産業を例に-』
谷口 みゆき 特別研究員
12:05-13:15 昼食・休憩(70分)
13:15-14:15 『近代日本の産業財産権と条約改正-外交と内政-』
靏岡 聡史 特別研究員
14:15-15:15 『知的財産権訴訟における国際裁判管轄再考-新たな裁判例解釈の下での予測可能性の確保』
草間 裕子 特別研究員
15:15-15:25 休憩(10分)
15:25-16:25 『国際倒産処理手続における知的財産ライセンスの扱いに関する調査・研究』
佐藤 育己 特別研究員
16:25-17:25 『産業財産権の移転・ライセンスに関する契約の準拠法』
山口 敦子 特別研究員
17:25 閉会

※各報告は、発表45分、質疑応答・講評15分の予定です。

申込方法

受付終了いたしました。

申込締切り 平成25年10月16日(水)
※各報告ごとに定員に達し次第受付を締め切り、以降のお申込みはキャンセル待ちとさせていただきます。
問合せ先 一般財団法人知的財産研究所 金子(かねこ)
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階
Tel:03-5281-5674;   Fax:03-5281-5676;

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『知的財産制度と企業の研究開発』
藤原 綾乃 特別研究員
【報告概要】

これまで、日本企業の研究開発拠点は国内及び先進国に設置されることが多く、新興国を研究開発拠点として利用する事例は少なかった。しかし、韓国企業は、新興国等の多様な国の拠点・研究者を活用している。今後は、日本企業も新興国に生産・販売拠点のみならず研究開発拠点を置き、現地の研究者を活用する傾向が強まるものと思われる。このように日本企業が新興国との関わり合いを深める場合、以下の二つの大きな問題に直面するものと思われる。第一に、企業間での技術移転や人材の移動に伴って意図せず技術や情報が流出する恐れがあるという問題である。第二に、企業が保有する知的財産権が受入先国において十分に保護されるのか否かといった知的財産権の保護水準に関する問題である。この報告では、第一の点に焦点を絞り、企業の人材移動に伴う技術流出の状況について、特許の書誌情報を用いた分析について報告をする。また、これをもとに、知財制度の整備が進んでいない新興国に進出する際の人材獲得及び技術獲得についても議論する。

【報告者紹介】

東京大学大学院工学系研究科博士後期課程在籍、平成25年4月より当研究所特別研究員。

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『特許が産業に与える経済効果の計量分析-日本の自動車産業を例に-』
 谷口 みゆき 特別研究員
【報告概要】

日本の自動車産業は、エコ関連及び快適性向上関連での技術革新が多く、新技術での特許取得数や特許の被引用数が多いことから、特許制度の影響が大きい産業のひとつであると考えられる。研究テーマの「特許が自動車産業に与える経済効果」は、具体的には、①生産効率性と②需要を指している。この研究では、①特許制度が日本の自動車産業全体の生産効率性に与える影響、及び、②特許取得が各メーカーの販売実績にどの程度貢献しているのかを、生産関数の推計と需要関数の推計により検証することを課題としている。①については、利用可能なデータの最長期間1991 - 2010年の自動車関連技術の国別の国際特許出願(Patent Cooperation Treaty出願、以下、PCT出願)数などのデータを用い、PCT出願が自動車産業全体の生産性向上に繋がっているのかどうかを検証した。②については、現時点で利用可能なデータ年数の半分の2004 - 2010年の国内乗用車市場の販売データや自動車メーカーの特許取得数などのデータを用い、特許取得技術を売りにすることで、各自動車メーカーが自社の車の販売量を増やせているのかどうかを検証した。今回は、これらの暫定的な検証結果について報告する。

【報告者紹介】

慶應義塾大学大学院経済学研究科博士後期課程在籍、平成25年4月より当研究所特別研究員。

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『近代日本の産業財産権と条約改正-外交と内政-』
靏岡 聡史 特別研究員
【報告概要】

従来、いわゆる不平等条約の改正交渉の結果、日本は明治32(1899)年にパリ条約に加盟することになったことがしばしば言及されてきたが、近年その交渉過程について、日本と欧米諸国との史料に基づき明らかにされつつある。しかし、それらの外交交渉の背後にある内政―産業財産権に関して、日本と欧米諸国とが互いにどのような国内問題を抱えていたのか―については、あまり明らかにされてこなかった。そこで、この研究では、外交と内政との双方向性に着目し、日本と欧米諸国との間に生じた産業財産権をめぐる問題について、当時行われていた、いわゆる不平等条約の条約改正交渉の経過と、近代日本の産業財産権法の制定過程とを絡めつつ検討し、近代日本の産業財産権の保護を中心とした産業政策について外交と内政の両面から検討していきたい。この報告では、今回新たに発見した国内史料を中心に、明治32年前後期までの間に生じた日本と欧米諸国との間の産業財産権をめぐる問題について、条約改正交渉の経過と日本の産業財産権法の制定過程とを絡めながら、その検討結果を報告する。

【報告者紹介】

慶應義塾大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学、当研究所平成23、24年度特別研究員、平成25年4月より平成25年度特別研究員。

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『知的財産権訴訟における国際裁判管轄再考-新たな裁判例解釈の下での予測可能性の確保』
草間 裕子 特別研究員
【報告概要】

「外国特許権を侵害する行為」に対する損害賠償請求等を、我が国の裁判所で審理できるかどうかという問題は、現在のところ、これに特化した明文規定は無く、当事者の所在地や侵害の発生地・侵害行為の態様など、事案ごとの個別事情によって判断される。従って、訴訟当事者は、いかなる場合に我が国の国際裁判管轄が認められるのかについて、裁判例からの予測を立てづらい。他方、財産権訴訟一般における管轄を判断した裁判例からは、「事案に外国法の適用が予定されること」が、管轄を否定する要素として働くという傾向を見出すことができ、少なくとも一定の予測が立てられる。この研究では、まず、知的財産権訴訟とそれ以外の財産関係訴訟における裁判例が、管轄判断にこうした異なる傾向を示している点に着目し、その理由を明らかにする。その上で、管轄判断と外国法の適用が相関する事象については、裁判所が担える外国法調査の限界が表顕されているという推察のもと、諸外国の制度設計を参考にしながら、我が国における外国法調査制度の在り方を探求する。この報告では、これまでの渉外知的財産権訴訟一般に関する裁判例の傾向を分析することによって、我が国の裁判所が管轄を認める場合、その判断を左右する要素は何であるのかを改めて明確にする。

【報告者紹介】

立教大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学、立教大学法学部国際ビジネス法・プログラムコーディネーター、平成25年4月より当研究所特別研究員。

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『国際倒産処理手続における知的財産ライセンスの扱いに関する調査・研究』
 佐藤 育己 特別研究員
【報告概要】

この研究は、我が国に議論の蓄積がほとんどない国際倒産における知的財産に関するライセンスの扱いについて、英米の判例を素材としてその実態を解明し、近時の国連国際商取引法委員会(United Nations Commission on International Trade Law, UNCITRAL)の成果物を手掛かりに、この局面の対抗関係に関して一考察を試みるものである。UNCITRAL担保部会は2010年に、知財を中核とした事業担保のための制度建設の立法指針であるいわゆるIPサプリメントを公表し、倒産時の担保権者との関係での知財ライセンス契約の効力について、国際局面も視野に入れた解決を図っている。また、同倒産部会は、1997年国際倒産モデル法によって倒産手続に関する国際的枠組の整備に着手した後も、2004年・2010年倒産立法ガイドを通して、国際倒産にも対応した倒産実体法の現代化を推し進める等、この課題を取り巻く状況は大きく前進しつつある。そこで、この研究では、我が国の既存の法制度との関係において、UNCITRALの成果物で提示されている対抗ルールの導入の是非を検討する。これにより、オープンイノベーションを国際的に加速させる上で必要となる制度の在り方を探求する。

【報告者紹介】

神戸大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(法学)、当研究所平成24年度特別研究員、平成25年4月より当研究所特別研究員。

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『産業財産権の移転・ライセンスに関する契約の準拠法』
 山口 敦子 特別研究員
【報告概要】

我が国の国際私法の主たる法源である「法の適用に関する通則法」(以下、通則法)7条以下に規定されている法律行為の準拠法ルールは、産業財産権の移転・ライセンスに関する契約(債権行為)にも適用される。すなわち、契約の成立及び効力の問題については、(A)契約当事者が契約の締結時に当該契約の準拠法を選択している場合はそれが準拠法となり(同法7条)、(B)選択がない場合は同法8条に従い、準拠法が決定される。このうち(B)のルールを、とりわけ契約当事者の権利義務関係が複雑なライセンス契約に適用する際、そのプロセスに不明な点(例えば、「利用許諾を行う」ライセンサー又は「利用義務に基づく利用を行う」ライセンシーのいずれの常居所地法が、通則法8条2項の「特徴的給付を行う当事者の常居所地法」にあたるか等)がある。そこで、この研究では、産業財産権の移転・ライセンスに関する契約の観点から、我が国の契約の準拠法ルールを明らかにする。なお、この報告では、上述の(A)(B)のルールを概観し、その後、(B)のルールの「特徴的給付」の概念とその決定方法について、産業財産権のライセンス契約を例に、学術的観点から検討する。

【報告者紹介】

関西学院大学大学院法学研究科博士後期課程修了、博士(法学)、大阪経済大学経営学部専任講師、平成25年4月より当研究所特別研究員。

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