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研究成果報告会・セミナー

平成27年3月10日(火)
特許庁委託 産業財産権研究推進事業 平成26年度特別研究員 研究成果報告会

一般財団法人知的財産研究所では、特許庁から委託を受け、我が国の適切な産業財産制度の設計・構築を推進するために、主に将来を担う国内外の研究者を対象として、制度調和や制度整備が中期的に必要となる研究テーマについて研究を行う機会を与える産業財産権研究推進事業を実施しています。その一環として、我が国の若手研究者を当研究所の特別研究員として1年間採用し、主に知的財産制度に関する潜在的な課題についての研究に従事してもらっています。
 昨年11月に中間報告会を開催し、参加者の方々から貴重なアドバイスをいただきました。この度、5名の特別研究員のその後の研究成果も含め1年間の研究成果の発表及び参加者の方々との意見交換を行う場を設けたく、次のとおり研究成果報告会を開催いたしますので、御案内申し上げます。ご都合がつきます方は是非ともご参加ください。

日 時 平成27年3月10日(火)11:00-17:45
(10:30受付開始・開場 これ以前には入場できない場合があります。)
会 場 TKPガーデンシティ御茶ノ水 (地図
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3丁目11-1  三井住友海上駿河台新館3階
       カンファレンスルーム3F(3階の「ルーム3F」が会場です。)
          ●JR「御茶ノ水駅」聖橋出口 徒歩4分
          ●千代田線 「新御茶ノ水駅」B3b出口 直結
          ●丸の内線 「淡路町駅」B3b出口 直結
          ●都営新宿線 「小川町駅」B3b出口 直結
参加費 無料
定 員 報告ごと60名 (先着順)
プログラム
10:30 受付開始
11:00 開会・主催者挨拶
11:05-12:10 『発明該当性に関する比較法的考察-方法の発明を中心として-』
吉田 悦子 特別研究員
12:10-13:15 休憩(65分)
13:15-14:20 『欧州単一効特許及び欧州特許に関する民商事事件の国際裁判管轄』
山口 敦子 特別研究員
14:20-15:25 『外国法鑑定制度に見る知的財産権訴訟の在り方』
草間 裕子 特別研究員
15:25-15:35 休憩(10分)
15:35-16:40 『特許制度の変更は価格競争を緩和し、企業の研究開発を促したのか?-1998年から2013年の制度変更が自動車メーカーに与えた影響- 』
谷口 みゆき 特別研究員
16:40-17:45 『特許制度の戦略的利用と研究開発促進効果に関する研究』
鈴木 貴晶 特別研究員
17:45 閉会

※各報告は、発表50分、質疑応答10分、指導者講評5分の予定です。

申込方法 1)WEB申込み(推奨)
★参加申込フォームに必要事項を入力の上、送信してください。
WEBでの申込み(SSL対応)
2)E-mail申込み
★参加申込メールに必要事項を入力の上、送信してください。
E-mailでの申込み
3)FAX申込み
★参加申込書をダウンロードし、必要事項を記入の上、お送りください。  Fax:03-5281-5676
参加申込書ダウンロード

※お申込をお受けした際は、数日のうちにメール又はFAXにて追って御連絡させていただきます。また、お申込みの御希望にそえない場合も、その旨御連絡させていただきます。
※お申込みの後、参加予定者の御都合が合わなくなった場合には、代理の方の御出席が可能です。その場合、代理の方の御出席か、御欠席の旨をinvit-seminar14@iip.or.jp又は、お電話(03-5281-5672)で御連絡ください。

申込締切り

平成27年3月9日(月)
※報告ごとに定員に達し次第受付を締め切り、以降のお申込みはキャンセル待ちとさせていただきます。

問合せ先 一般財団法人知的財産研究所 金子(かねこ)
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階
Tel:03-5281-5674;   Fax:03-5281-5676;
E-mail:invit-seminar14@iip.or.jp

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『発明該当性に関する比較法的考察-方法の発明を中心として-』
 吉田 悦子 特別研究員
【報告概要】

産業と科学技術の発展によって発明も多様化している。例えば、情報化によるコンピュータ技術を利用したビジネス方法の発明や、バイオテクノロジーの進展に伴う遺伝子スクリーニング方法などの医療関連発明が挙げられる。その結果、米国では、ビジネス方法発明の特許適格性の問題を契機に、特許適格性をめぐる訴訟が増加し、活発に議論がされている。欧州でも、欧州特許庁(EPO)と加盟国との間での判断手法の相違からEPO長官によるコンピュータ・ソフトウエア関連発明の特許適格性に関する付託がされるなど調和の道を探っている。

本研究は、欧米の審判決の動向と従来展開されていた議論をふまえ、日米欧の発明該当性(特許適格性)に関する比較法的考察を行うものである。本報告では、米国の最近の主要判例を導入として、中間報告以降に取り組んだEPO、ドイツ、英国における審判決と、我が国における議論をふまえた比較法の観点から発明該当性(特許適格性)の役割について報告を行う。

【報告者紹介】

大阪大学大学院法学研究科博士前期課程修了、同大薬学研究科、同大知的財産センター特任研究員を経て、平成26年4月より当研究所特別研究員。

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『欧州単一効特許及び欧州特許に関する民商事事件の国際裁判管轄』
山口 敦子 特別研究員
【報告概要】

EUでは現在、単一特許保護制度(すなわち、欧州単一効特許及び統一特許裁判所(以下、UPC))を創設するために、いわゆる「パテント・パッケージ」に基づき、準備が進められている。UPCは、欧州単一効特許及び欧州特許等に関する特定の訴訟のみを専属的に扱い、その国際裁判管轄については、いわゆるブリュッセルⅠ規則(recast)に従う。この規則は非常に複雑な構造をしていることから、この報告ではまず、その内容を明らかにする。なお、その際、中間報告では取り上げなかった欧州特許に関連する規定(補足の管轄原因、及び、訴訟競合に関する規定)についても触れる。

次に、この報告では、UPCが下した判決の執行が我が国に求められた際に生じ得る問題、今後検討すべき問題点の指摘を行う。例えば、上述のブリュッセルⅠ規則(recast)に基づき国際裁判管轄を有するUPCが、我が国の企業に対して欧州単一効特許侵害に基づく損害賠償金の支払いを命じる判決を下し、その判決の執行が我が国の裁判所に求められた際、それは執行され得るのか。これに関して、現在のところ、UPCに類似する裁判所の判決の執行が我が国の裁判所に求められたことがないため、同国の民事訴訟法・民事執行法が定める外国判決の承認・執行要件をどのように解釈すべきか、明らかでない。そこで、上述の考察を行う。その際、中間報告で取り上げた(「相互の保証」要件)以外の我が国が定める外国判決の承認・執行要件(例えば、「外国裁判所の確定判決」要件など)についても考察する。

【報告者紹介】

関西学院大学大学院法学研究科博士後期課程修了、博士(法学)、大阪経済大学経営学部専任講師を経て、当研究所平成25年度特別研究員、平成26年4月より当研究所特別研究員。

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『外国法鑑定制度に見る知的財産権訴訟の在り方』
草間 裕子 特別研究員
【報告概要】

外国知的財産権の侵害に関する紛争は、その解決に際して調査の困難な外国法の適用を伴うことがあり、それゆえに我が国の裁判所における適正審理の実現を阻むことがある。このことは、ともすれば、権利者が日本企業であっても、訴訟戦略上、外国での訴訟提起を念頭に置かざるを得ない状況にあるともいえる。本研究は、諸外国の外国法鑑定制度が我が国の国際的な知的財産権紛争の解決に与え得る影響を考察し、長期的な観点から、日本企業による我が国の裁判所の積極的な利用を企図するものである。

本報告では、中間報告以降の課題を踏まえ、ドイツ・スイスの外国法鑑定制度が、自国の裁判所に対して信頼性の高い鑑定結果を提供していることに着目し、その手法につき検討を行う。

【報告者紹介】

立教大学大学院法学研究科博士課程後期課程単位取得退学(国際私法)、立教大学法学部国際ビジネス法プログラムコーディネーターを経て、立正大学・白鴎大学非常勤講師、当研究所平成25年度特別研究員、平成26年4月より当研究所特別研究員。

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『特許制度の変更は価格競争を緩和し、企業の研究開発を促したのか?
―1998年から2013年の制度変更が自動車メーカーに与えた影響― 』
谷口 みゆき 特別研究員
【報告概要】

企業が特許を取得するメリットのひとつは、一定の期間、製品差別化による価格競争の回避が保障されることである。しかし、特許による技術の保護が十分でなければ、製品差別化戦略が有効でないため、企業の研究開発へのインセンティブが低下する可能性が高まる。

この研究の目的は、1998-2013年になされた複数の制度改正が、一貫して価格競争を緩和したのかどうか、また、企業の研究開発を促進したのかどうかを、定量的に評価することである。前者の市場の価格競争度については、需要関数の推計によって、また、後者の企業の研究開発行動については、生産関数の推計によって分析している。日本の特許制度は、企業の研究開発のインセンティブを高めるように、改正され続けてきた。改正内容は、技術の保護の強化だけにとどまらず、審査期間の短縮や特許料金の引き下げなど多岐に渡る。一方、ドイツの特許制度には、大幅な制度変更はなかった。このため、日本とドイツの自動車産業を比較しながら、特許制度の改正が特許の生産性に与えた影響について、企業別データ用いた確率的フロンティア分析を行った。中間報告会では、最も基本的なモデルでの後者の分析結果の一部を紹介した。本報告会では、中間報告会後にモデルを見直した上での後者の分析結果を中心に、両分析結果について報告する。

*市場の価格競争度の分析に使用した主なデータは、『自動車年鑑』(日刊自動車新聞社・日本自動車会議所)、『オートアフターマーケット データブック』(オートマート・ネットワーク)、『オートガイド自動車価格月報』(オートマート・ネットワーク)より引用した。研究開発行動の分析に使用した主なデータは、PATSTAT(European Patent Office)、「科学技術研究調査」(総務省統計局)、R&D Ranking of EU Top 1000 Companies(European Commission)より引用した。

【報告者紹介】

慶應義塾大学大学院経済学研究科博士後期課程在籍、当研究所平成25年度特別研究員、平成26年4月より当研究所特別研究員。

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『特許制度の戦略的利用と研究開発促進効果に関する研究』
 鈴木 貴晶 特別研究員
【報告概要】

特許制度の目的は、発明を保護しその利用を促進することで、発明を奨励し、もって産業の発達に寄与することである。したがって、よりよい特許制度への改善について議論する場合には、利潤最大化を図る企業が戦略的に特許制度の変更に対応することによって生じうる、技術情報の波及の阻害や他社が行う研究開発の抑制といった負の影響を避けるよう考慮することが重要である。この研究の目的は、企業の戦略的な知的財産保護活動(特許出願により発明を公開し排他権を取得するか、それとも発明を秘匿するか)における意思決定のメカニズムを分析し、そのような企業の戦略的行動とその結果市場にもたらされるイノベーション・パフォーマンスとの関係について理論的な分析を行うことで、上記のような負の影響を避け産業の発展に寄与する特許制度の在り方について考察することである。本報告は、中間報告会でのコメントを踏まえ考察した理論分析の結果と、そうした理論的分析結果が我が国においてどの程度支持されるかに関しての集計データを用いた検討可能性について報告する。

【報告者紹介】

ティルブルグ大学経済学部博士課程在籍、平成26年4月より当研究所特別研究員。

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