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平成29年3月3日
特許庁委託 産業財産権研究推進事業 平成28年度特別研究員 研究成果報告会

一般財団法人知的財産研究教育財団 知的財産研究所では、特許庁から委託を受け、我が国の適切な産業財産制度の設計・構築を推進するために、主に将来を担う国内外の研究者を対象として、制度調和や制度整備が中期的に必要となる研究テーマについて研究を行う機会を与える産業財産権研究推進事業を実施しています。その一環として、我が国の若手研究者を当研究所の特別研究員として1年間採用し、主に知的財産制度に関する潜在的な課題についての研究に従事してもらっています。
 昨年10月に中間報告会を開催し、参加者の方々から貴重なアドバイスをいただきました。この度、2名の特別研究員のその後の研究成果も含め1年間の研究成果の発表及び参加者の方々との意見交換を行う場を設けたく、次のとおり研究成果報告会を開催いたしますので、御案内申し上げます。ご都合がつきます方は是非ともご参加ください。

日 時 平成29年3月3日(金)13:00-15:15
(12:30受付開始・開場 これ以前には入場できない場合があります。)
会 場 ◆TKPガーデンシティ御茶ノ水地図),(地下鉄出口からの道順案内[写真]
〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台3丁目11-1
三井住友海上駿河台新館3階(カンファレンスルーム3F)
※TKPガーデンシティ御茶ノ水は、三井住友海上駿河台新館内にあります。本館とお間違えのないようご注意下さい。
          ●JR中央線 御茶ノ水駅 聖橋出口 徒歩4分
          ●東京メトロ丸ノ内線 御茶ノ水駅 1出口 徒歩6分
          ●JR総武線 御茶ノ水駅 聖橋出口 徒歩4分
          ●都営新宿線 小川町(東京都)駅 B3b出口 直結
          ●東京メトロ丸ノ内線 淡路町駅 B3b出口 直結
          ●東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅 B3b出口 直結
参加費 無料
定 員 報告ごと60名 (先着順)
プログラム
12:30 受付開始
13:00 開会・主催者挨拶
13:05-14:10 『イノベーションを促進する企業の報酬制度と特許制度について』
村本 顕理 特別研究員
14:10-15:15 『中国企業の対外M&Aとイノベーション活動の実態―特許データを用いた実証分析』
袁 媛 特別研究員
15:15 閉会

※各報告は、発表50分、質疑応答10分、指導者講評5分の予定です。

申込方法

受付終了いたしました。

申込締切り 平成29年3月2日(木)
※報告ごとに定員に達し次第受付を締め切り、以降のお申込みはキャンセル待ちとさせていただきます。

問合せ先 一般財団法人知的財産研究教育財団 知的財産研究所 金子(かねこ)
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階
Tel:03-5281-5674;   Fax:03-5281-5676;

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『イノベーションを促進する企業の報酬制度と特許制度について』
村本 顕理 特別研究員
【報告概要】

近年、発明の成果に応じた金銭的な報酬制度(成果報酬制度)や研究者間の競争を促進する組織デザインが発明を果たして活発にするのかについて、それを疑問視する議論が世界的に盛んになっている。本研究では、発明の成果報酬制度や研究者間の競争を促進するシステムが、研究者同士による適切な相互評価や研究活動におけるチームワークを阻害する可能性があることに着目する。そのため、個々の研究者の研究開発インセンティブのみならず研究者達が生産的な協力を行うインセンティブが報酬制度によってどのように影響を受けるかを分析し、企業における発明を促進する望ましい報酬制度を明らかにする。

本報告では、まず、近年の報酬制度とインセンティブに関する研究成果を概観し、その上で、上述のような報酬制度が与えるチームワークを阻害する可能性等のインセンティブについての問題を分析可能な理論モデルを提示する。その理論モデルにおいて、発明が起きた際、その成功報酬をチームで等分するチームベースの報酬制度と、発明を行った本人だけが報酬を受け取る報酬制度を比較し、どのような場合にどちらの報酬制度がより望ましくなるのか、その条件について述べる。

【報告者紹介】

京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了 博士(経済学)、当研究所平成27年度特別研究員。平成28年4月より当研究所特別研究員。

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『中国企業の対外M&Aとイノベーション活動の実態―特許データを用いた実証分析』
  袁 媛 特別研究員
【報告概要】

本研究では、中国企業の対外M&Aにより、中国企業と買収された先進国企業とが、ウィン・ウィンの関係を築くことができたかを明らかにする。そのために、ハイアールによる三洋電機買収を研究事例として用い、どのような日本人研究者がハイアールに転籍する傾向にあるか、そして、転籍前後における旧三洋電機研究者の研究実績の変化を分析する。

中間報告の分析結果を踏まえ、より信頼性の高い分析結果を得るために、データ抽出の精度を高め、研究者の技術分野や特許の質を示す指標などを分析に取り入れ、個人レベルの実態調査も試みた。さらに、ハイアールによる買収の特徴を浮き彫りするために、ほぼ同時期に行われたオン・セミコンダクター社による三洋電機の半導体部門の買収についても分析を行った。分析の結果からは、ハイアールが第一線で発明を活発に行っている若手研究者よりもベテラン研究者を獲得する傾向にあることを明らかにした。

【報告者紹介】

法政大学大学院経済学研究科博士後期課程修了 博士(経済学)、早稲田大学高等研究所、華東師範大学商学部を経て、当研究所平成27年度特別研究員。平成28年4月より当研究所特別研究員。

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