特許庁委託 産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業
2019年度派遣研究者 研究成果報告会

知財研では、特許庁委託事業「産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業」の一環として、日本の研究者を外国の研究機関に派遣し、産業財産権に関する制度調和が必要となる課題について研究する機会を提供しています。このたび、派遣研究者が6か月の米国派遣を終えて帰国しました。

開催概要

題 目 商標権に係るエンフォースメントの日米比較 損害賠償と刑事罰を中心に
報告者 金子 敏哉 派遣研究者
動画パスワード K7fk
 
 
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金子先生へのご質問は締め切りました。
ご質問いただいた皆様、誠にありがとうございました。金子先生からご回答を頂きましたので、下記よりご覧ください。

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(Part2/2)動画パスワード K7fk

報告概要

 本研究は、より実効的かつバランスのとれた商標権に係るエンフォースメントの実現に向けて、米国及び日本の商標権(未登録の商品等表示の保護も含む)に係る民事・刑事のエンフォースメントを比較し、現状と課題を明らかにし、あるべき制度的対応策を示すことを目的とする。
 米国連邦商標法(ラナム法)35条(a)は、登録・未登録商標権の侵害に対する主要な金銭的救済の手段として、現実損害の賠償と利益返還を認めるとともに、裁量的増額賠償と侵害者利益額の裁量的増減を規定しているが、この裁量的増(減)額が「罰ではなく補償」であることを明記している。さらにラナム法は登録商標の偽造標章の使用に関して、特別な民事上の救済として、義務的三倍賠償と法定損害賠償を規定している。またこれらに加えて州法に基づき懲罰的損害賠償が認められる場合もある。
 また米国連邦法上、商標に係る侵害行為のうち刑事罰の対象となる行為は、偽造標章を使用した取引行為に限定されている。
 そして連邦法上の商標関連のエンフォースメントの実際の運用では、年間3000件を超える民事訴訟の件数に対して、刑事訴訟で有罪の宣告を受けた者が2016年以降は50名以下という状況である。
 本報告では、これら米国連邦法上の商標に係る損害賠償と刑事罰に係る制度の全体像と実際の運用(件数、量刑・損害額)を、歴史的な形成過程、特許権・著作権との異同、州法の役割(特に刑事罰につき)等を踏まえつつ明らかにし、日本法との異同について考察する。

略歴

金子 敏哉(かねこ としや)氏

東京大学法学部卒。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。2009年から明治大学法学部講師、2014年から准教授(知的財産法担当)。

【派遣先】ハーバード大学ロースクール東アジア法研究所(米国・マサチューセッツ州ケンブリッジ)

【派遣期間】2019年8月28日~2020年2月27日

【共同研究】William W. Fisher教授


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