知財研セミナー
「ドイツにおける特許権侵害訴訟制度の特徴」

一般財団法人知的財産研究教育財団では、国内外の知財情勢に精通している方をお招きし、知的財産に係る制度運用の動向や注目判決等を皆様にご紹介する活動を行っております。このたび、ドイツ・ミュンヘンの国際知財法律事務所マイスナーボルテから欧州・ドイツ弁護士・弁理士であるTobias Wuttke(トビアス・ヴトゥケ)氏をお招きし、「ドイツにおける特許権侵害訴訟制度の特徴」と題して、ご講演をいただくことになりましたので、ご案内いたします。 皆様、奮ってご参加ください。

開催概要

日 時

2019年11月21日(木)15:00-17:00 (14:30受付開始)

講 演

「ドイツにおける特許権侵害訴訟制度の特徴」

講師:Tobias Wuttke(トビアス・ヴトゥケ)氏
マイスナーボルテ(ドイツ弁護士・産業財産権法専門弁護士)

会 場 一般財団法人知的財産研究教育財団 知的財産研究所 会議室 (アクセス

【住所】
東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル 5階
東京メトロ東西線 竹橋駅(3b出口)より徒歩5分
東京メトロ東西線 竹橋駅(1b出口)より徒歩4分
東京メトロ半蔵門線、都営新宿線神保町駅より徒歩8分
都営三田線 神保町駅(A9出口)より徒歩3分

定 員 30名 (先着順)
参加費 賛助会員:4,000円 一般:8,000円 (知的財産研究所の賛助会員制度)
知的財産管理技能士会会員:6,400円

概要

グローバル企業・特許事務所にて求められる幅広い情報をお伝えすべく、今回、欧州・ドイツ知的財産に関する2部構成のセミナーを開催致します。 第1部では、ドイツでの特許権侵害訴訟制度について、バイファケーションシステムと二段階訴訟を中心に説明致します。 第2部では、損害賠償額の計算について、最新の判例を説明致します。

プログラム

15:00-15:55

パートA(55分)
ドイツでの特許権侵害訴訟:バイファケーションシステムと二段階訴訟

ドイツの特許権侵害訴訟システムには2つのとても重要な特徴がある。
地裁が侵害を認める場合:
  • (1)係争中特許の有効性が審理されていなくても、排除命令を下すことが可能とされる。そのような地裁判決に対して控訴したとしても、処分の執行が保留されるわけではないので、特に、早急な設計変更ができない場合は、ライセンス料を支払い和解する他にほとんど選択の余地はない。
  • (2)被疑侵害者は販売に関する情報を開示する義務を負う。その一方で、損害賠償額の交渉を、現実的には、当事者間に委ねることで和解を促す。 ドイツにおいて日本企業に対する特許権侵害訴訟が提起されたとき、どのように対応すればよいのかが問われている。

15:55-16:50

パートB(55分)
損害賠償額の計算:最新の判例

2019年3月26日、ドイツ最高裁は、ドイツ特許を侵害した者は、侵害が行われた後、10年までの期間、その侵害行為によって得られた利益を特許権者に返還する法的義務を負うとの見解を示した。この義務は、特許権侵害による損害賠償請求が時効となっていても適用される。損害賠償債務の期間(10年)を他の国々と比較すると、例えば、米国では6年、英国では6年、フランスでは5年と、長期なものとなった。


16:50-17:00

質疑応答 10分


(※日本語の逐次通訳が付く予定です。)

略歴

Tobias Wuttke(トビアス・ヴトゥケ)
マイスナーボルテ(ドイツ弁護士・産業財産権法専門弁護士)

トビアス・ヴトゥケ氏は、ドイツの知財法律事務所においてトップ5に入るマイスナーボルテで、訴訟部門を率いている。数年間ドイツ連邦最高裁判所裁判長Dr. Bornkamm教授(知的財産部)の助手をつとめた経験をもつ。彼は、年間40件を超える特許訴訟事件を担当し、特に国境をまたがる訴訟に注力している。担当する事件には日本企業が関係するものも多い。トビアス・ヴトゥケ氏は、世界有数の知財ビジネスメディアIAMにおいて、特許権侵害訴訟における第1級の弁護士として評価されている(Who’sWho Patents 2019, IAM 2019, IP Stars Patents 2019)。また、ドイツにおける有力な判事(デュッセルドルフ控訴裁判所のKühnen裁判長、ミュンヘン地方裁判所のZigann裁判長など)たちとの会合の場も頻繁に設けている。


Top