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平成10年度調査研究の概要

 

【特許庁工業所有権制度問題調査研究】

1. 知的財産権侵害訴訟における適正な訴訟手続等のあり方に関する調査研究

 知的財産権侵害訴訟における「広く強く早い救済措置」を実現すべく、侵害の立証の容易化、損害額の立証の容易化及び実質的な規模の損害賠償の実現等を目的として、文書提出命令の拡充、積極否認の特則の創設、侵害者利益の立証の容易化、計算鑑定人制度の創設、実質的な損害額の認定等の制度化について、政策上、法律上及び実務上の観点から検討を行った。

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2. マドリッド・プロトコル及び商標制度の国際的調和に関する調査研究

 平成9年度の「商標の国際出願・登録制度に関する調査研究」を基にして、日本の商標法制の観点からマドリッド・プロトコル加盟の問題点を明らかにし、既加盟国が自国の法制等とマドリッド・プロトコルとの調整をどのように行ったのかについて調査研究を行った。

 また、迅速な審査処理、的確な権利付与が求められているところ、商標制度のグローバルスタンダードの観点からユーザーのニーズ調査を行った。

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3. デジタルコンテンツの法的保護のあり方に関する調査研究

 デジタル化・ネットワーク化社会において取引対象となる「情報」すなわち「コンテンツ」に関して、以下の2点を検討した。1. アクセスやコピーを管理するために「コンテンツ」に技術的措置を付しているが、それを無効とすることに対する規整のあり方について。2.「情報収集物」(データベース)の法的保護のあり方について。検討に当たっては、各国・各機関の動向、国内の動向を踏まえ、その必要性、保護法益、保護対象、問題点等を明らかにした。第1点については具体的に不正競争防止法による法的規整のあり方をまとめた。

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4. オンライン(インターネット)による公報発行に関する調査研究

 近年のネットワーク技術の進展により、オンライン(インターネット)による公報の発行が可能な状況となりつつある。このオンラインによる公報発行は、情報の伝達を即時的に行えるという点で従来の紙やCD-ROMによる公報に比べて大きなメリットを有するが、一方で、公示をオンラインで実施するための法的問題等、様々な問題の発生が懸念される。そこで、オンラインによる公報発行を行った場合に生じると考えられる問題点とその対策について、主として技術的観点、法的観点、実務的観点からの検討を行った。

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5. 知的財産分野における裁判外紛争処理のあり方についての調査研究

 近年、知的財産に関する紛争が増加しているなか、諸外国では、その紛争解決手段として仲裁制度等の裁判外の紛争処理制度(ADR)が利用されているが、我が国ではその利用が進んでいない。そこで、我が国特許庁の判定制度も含め、我が国及び欧米の主要なADR機関のシステム・運用実態等の調査、及び企業へのヒアリング等を行い、知的財産分野における我が国の裁判外紛争処理の適切なあり方について検討し、その提言のための基礎資料を作成した。

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6. 今後の知的財産政策のあり方に関する調査研究

 知的創造活動による成果は、今後一層高度化・多様化することが考えられ、現行の法体系とは異なる制度の下での保護について、海外の動向も勘案しつつ考えていく必要がある。そこで米国における知的創作物に関する保護領域の動向について調査し、またわが国産業、特に非製造業であるサービス産業分野における知的財産権の保護の動向について調査を行った。

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7. 知的財産権の取得・活用及び研究開発の促進に向けた税制に関する調査研究

 21世紀に向けて、研究開発への適切な投資の促進と、その成果である知的財産を適切に保護することが、今までにも増して重要となっているが、昨今の経済状況は、企業の研究開発投資の削減まで及んでいる。このような状況の中、企業の研究開発費と特許関連費用の動向や、税務処理の実態がどのようになされているかについて、企業実態アンケート調査を行い、現状の問題点の分析及び検討を行った。

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8. 生物関連発明の特許出願に係る寄託体制のあり方に関する調査研究

 国内唯一の特許寄託機関である工業技術院生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センターでは、寄託できる生物材料が限られているため、出願人は自己寄託するか又は外国機関への寄託を行っているのが現状である。この点を改善すべく、生命研の寄託範囲の拡大、他の国内特許寄託機関の創設、外国寄託機関の利便性向上、自己寄託制度の見直し等の可能性を検討し、日本の特許寄託体制のあり方について提言を行った。

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9. 平成10年度知的財産の紛争処理に関する調査研究

 営業秘密の保護は1994年のTRIPS協定において必要性が唱われ、我が国においては、最近の不正競争防止法改正により民事的保護がなされた。しかし最近営業秘密に関して、特にネットワークを通じたものや、企業と退職者をめぐるトラブルなどの係争が増えている。

 これらの侵害に対し、現行の民事的救済のみでは不十分であり、刑法の適用にも問題があるとされている。本調査により、民事的救済のみであるのは英国ぐらいしかないことが判明した。以上のことから、刑事罰の導入を中心に、労働移動に与える影響を考慮しつつ、適切な保護を目的として調査検討を行った。

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10. 知的財産権制度の経済分析に関する調査研究

 近年知的財産の保護強化が言われているが、知的財産の保護の度合いが社会経済に与える影響は大きく、その社会経済的意義を研究することは政策立案上重要である。このような認識のもと、特許制度の経済分析を中心として、欧米における関連研究を調査すると共に現地調査を行い、我が国の実状に照らして特許要件・保護範囲・ライセンスの3つの観点から経済に与える影響を取りまとめ、政策的意義を抽出した。

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11. 知的財産権と競争政策に関する調査研究

 制定から10年が経過した「特許・ノウハウ契約における不公正な取引方法の規制に関するガイドライン」に関し、ガイドラインの見直しに向けた提言を目的とした調査研究である。具体的には、不公正な取引方法のうち現行のガイドラインに不足している部分(ソフトウエア取引等)、および私的独占・不当な取引制限(独占禁止法第3条)と知的財産との関わり(具体的には並行輸入、パテントプール、強制実施権等)についての新たなルール作成へ向けて、諸外国における運用例等との比較も含めて調査研究を行った。

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