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平成17年度調査研究の概要

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【特許庁産業財産権制度問題調査研究】

1.  知的財産侵害物品に対する水際制度の在り方に関する調査研究
Ⅰ.「不正競争防止法を活用した水際における模倣品対策に関する調査研究」委員会
Ⅱ.「我が国の知的財産物品の水際差止制度の在り方に関する検討」ワーキンググループ

 ①関税定率法の改正により平成17年3月1日より導入された不正競争防止法2条1項1号から3号までの行為を組成する物品の水際差止制度において、申立てに際して必要となる経済産業大臣の意見書及び認定手続にて必要に応じて求められる経済産業大臣の意見照会において参考とする輸入差止めのための不正競争防止法違反参考事例集を「不正競争防止法を活用した水際における模倣品対策に関する調査研究」委員会において検討し、並行して②我が国の水際差止制度の現状と課題の抽出及び海外の水際差止制度・枠組の調査等により今後の我が国の水際差止制度の在り方の検討に資する情報を集約すべく「我が国の知的財産侵害物品の水際差止制度の在り方に関する検討」ワーキンググループを設置し、我が国の知的財産物品の水際差止制度の高度化に資する検討を行った。

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2. 知的財産の流通・流動化に係る制度的諸問題の調査研究

 本調査研究は、知的財産の流通・流動化の制度的進展を踏まえ、①特許権者(ライセンサー)が破産をし、又は知的財産権を第三者へ譲渡した場合等における未登録通常実施権者(ライセンシー)の保護の方策、及び②知的財産信託による知的財産の管理・活用の促進を図るために知的財産信託に内在する問題の解決策の検討を目的とした。

 ①については、ライセンサーの破産時又は知的財産権譲渡等の時に現にその知的財産権を実施し又は実施の準備をしているライセンシーに従前の通常実施権の範囲内での法定実施権を付与する制度を提案し、その要件・効果及びライセンス契約の法律関係、破産法との関係、登録制度との関係等について検討を行った。

 ②については、信託の対象となっている特許権の権利者(受託者)による損害賠償請求に特許法第102条第1項及び第2項が適用されないのではないかという論点等について検討を行ない、その解決の方向性を示した。

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3. 大学における知的財産管理・活用に関する調査研究

 大学における知的財産管理・活用体制は着実に整備されてきたところではあるが、知的財産活動を創造から保護、活用に至る知的創造サイクルの中でとらえると、現状は未だサイクルの第1段階がようやく完了しつつある状況に過ぎない。

 今後は、学内における知的財産意識の啓発と出願という第1段階から、活用を重視した権利の取得と技術移転という第2段階へ徐々にシフトし、大学の知的財産活動を中長期的に維持していくための体制と運用を確立していくことが必要である。

 そのためには、組織体制の更なる改善を図りつつも、より実務的な観点から、知的財産活動に付随する個別かつ具体的な課題について整理検討し、知的財産活動の実効性向上を図っていくことが必要である。 

 そこで、本委員会では、先駆的な知的財産活動、産学連携活動を行っている大学から委員を招聘し、各大学の取組みや今後の方針等に関して報告を行い、法曹界、産業界からの有識者委員も加わり、幅広い議論を行った。

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4. 独創的デザインの保護に即した意匠制度のあり方に関する調査研究

 デザインの戦略的活用による製品の高付加価値化・差別化を実現し、我が国産業の競争力強化につなげるためには、製品の付加価値やブランド価値の源泉となる独創性の高いデザインを的確に保護し、デザインの創作を促すとともに、意匠権の積極的な活用を可能とすることが必要である。

 デザインの保護に関して、「知的財産推進計画2005」おいては、「魅力あるデザインを創造して,より価値の高い製品を提供する環境を整備するための具体的方策について,意匠制度の在り方を含め検討し,2005年度までに結論を得る」こととされている。

 本調査研究は意匠制度小委員会における検討に資するものとすることを目的とし、意匠制度小委員会のこれまでの議論を踏まえ、デザインを保護する制度の中核をなす意匠制度の在り方に関して、意匠権の効力、意匠登録制度、意匠の保護対象等の具体的検討事項の法制面からみた精査を行った。

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5. 多面的な発明の保護に関する調査研究

 フロントランナーの多面的な権利取得支援、制度の国際的調和等の観点から、分割の内容的要件の緩和(実質同一発明の分割の許容)、新規性喪失の例外(グレースピリオド)の在り方、米国の一部継続出願制度についての調査研究を行った。

  分割の内容的要件の緩和については、法律的観点からの検討及び現行の分割出願制度等での対応の可能性についての議論を行ったところ、現行制度の枠内でも、同一発明の多面的な保護への対応は相当程度可能であり、大きな問題を含んでいるとは認められなかった。 

 新規性喪失の例外の在り方については、現行制度の例外という枠組みの変更を望む意見は少なかった。今後の米国の特許法改正の動向と欧州の反応を注視しながら、制度調和の観点を踏まえ、我が国にとって適切なタイミング・制度で対応できるよう引き続き検討すべきである。

  米国の一部継続出願制度については、第三者監視負担が増加する、現行の国内優先権制度で十分である等の理由から、制度導入には否定的な傾向が強いため、慎重に検討すべきである。

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6. 「アンチコモンズの悲劇」に関する諸問題の分析報告書

 一つの製品について、研究開発し製造・販売する過程で多数の特許がかかわり、「特許の藪」が形成されている。この状況がもたらす影響として、特許化された技術の利用が互いの権利により妨げられる「アンチコモンズの悲劇」を代表とする企業活動を阻害する諸問題が起こると懸念される。

 本調査研究では、特許庁が実施する「知的財産活動調査」の結果についてマクロ経済分析を用いた実証分析を行った。さらに、各事業分野を代表する企業より、「特許の藪」の現状及び企業のスタンスに関する見解を聞いた。

 本調査研究の結果より、企業は特許取引などマネジメントにより「特許の藪」の弊害を多くの場合回避していることが示唆されるが、「アンチコモンズの悲劇」が存在する可能性を否定するものではない。

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7. 新たな「知」の保護管理のあり方に関する調査研究

 中国・韓国・台湾等のアジア諸国の産業・技術での急速な発展がなされている状況においては、大量生産によるコスト競争を行うというこれまでのような我が国の産業構造を大きく変革すべき時期に来ている。グローバルでの熾烈な競争に勝ち抜くためは、諸外国の追随を許さない極めて高度な技術を創出するとともに、その高度な技術を容易に真似されないような工夫を行うことが必要とされている。

 こうした状況の中、知的財産という観点から見た場合、我が国において様々な知的財産政策の推進が行われているが、我が国産業のさらなる発展のためには、企業が開発した技術について、公開を前提とした特許出願により排他的独占権を取得するか、営業秘密として厳格に管理し、対外的に秘匿するかを企業が戦略的に選択することが必要である。そして、企業の知的財産戦略に応じて柔軟に対応することができる環境の整備が求められている。本調査研究は、このような情況を踏まえ、学界、産業界の有識者からなる委員会を構成し、先使用権制度を中心として、新たな「知」の保護管理のあり方についての検討を行ったものである。

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8. 知的財産関連人材育成のあり方に関する調査研究

 知的財産関連人材育成は今迄推進されているが、知的財産立国を進展させるためには、社会のパラダイム・シフトを把握し、人材の質的変換と量的拡充が必須である。近未来を見通した上で、明確なコンセプトの人材育成構想を形成し、それを推進する総合戦略を立案し、具体的な政策・施策を展開し、さらにこれらを着実に実践することが肝要である。

 本調査研究は、各方面での知的財産人材育成の現状を把握し、最新の人材育成理論やeラーニングを把握した上で、人材育成構想の中核コンセプトとして、新知的財産人材モデルの構築、質的再構成・量的拡大、知財民度の向上を挙げ、提言として、各人材層への提言、知的財産保護・権利化人材の高度化・広域化・汎化の促進、知的財産人材の交流促進及び総合的な人材育成政策提言(人材育成拠点の設置、関連の資格・検定・認定等の検討、知的財産マネジメント教育の定着策の展開及び地域への知的財産教育の展開等)を示した。

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9. 特許発明の円滑な利用のための方策に関する調査研究

 特許発明の円滑な利用をめぐる問題については、技術標準及びライフサイエンス分野の上流技術を中心に、一般論として検討されてきたが、より具体的に実態を把握した上で、対応策について更に検討すべきとの指摘がなされている。本調査研究では、当該問題に関する具体的事例や産学における実態等を把握するとともに、対応策についての検討を発展させた。

 技術標準については、必須特許のライセンスを効率的に行うためのパテントプールをめぐる問題、必須特許の鑑定、国際標準化プロセスにおける特許宣言等を中心に実態の把握を行った。ライフサイエンス分野の上流技術については、他者特許に係るライセンスを取得することができず、当該特許発明の利用が制限されることにより、後続の研究が阻害される等の実態を把握した。

 裁定実施権制度等の対応策の適用可能性については、本調査研究で明らかにされたような実態、具体的事例に基づいて更に検討を重ねる必要があろう。

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10. 今後の弁理士制度のあり方に関する調査研究

 平成12年に80年ぶりに弁理士法が全面改正され、弁理士は、契約の仲介・代理業務、相談業務、税関における輸入差止手続代理業務、裁判外紛争解決手続代理業務が行えることになった。また、弁理士試験に関しても、予備試験の廃止、試験免除の見直しと拡大、試験科目の削除、著作権法・不正競争防止法の取り込み等が行われた。さらに、附則として法律施行5年後に見直しと検討を行うことが規定された。

 本調査研究では、弁理士法改正後に弁理士制度を取り巻く状況が変化する中で弁理士制度の実態と今後の方向性について検討を行うために、弁理士及びユーザー企業を対象に弁理士制度全般に関するアンケート調査を実施し、弁理士法に関する評価や弁理士制度の利用実態、ニーズ等について調査、整理を行うとともに、「弁理士試験制度」、「弁理士研修制度」、「弁理士倫理(利益相反規定)」、及び「弁理士情報の公開」の四つのテーマについて委員会で幅広く議論、検討を行い、問題点を明らかにした。

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11. 模倣品・海賊版の個人輸入・所持・販売等に関する調査研究

 本調査研究は、模倣品、海賊版が我が国国民によって輸入、所持、販売等される行為について、産業上の被害、被害に対する取組みの現状、それに応じた法的措置を含む必要な措置を検討した。まず、事例、被害状況の情報を収集し、技術の進歩による模倣、複製の容易化、流通手段の国際的拡大により、個人の行為が私的領域にとどまらず産業的な領域にも作用する可能性の理解を深めた。次に、我が国法制の中で、財産権の保障、適正手続の確保を始めとする諸原則の要請を満たし、他の規制措置との均衡を得る対応の在り方を議論した。また、対応の手法及び国際的なバランスを考慮する上で、仏、伊を含む欧米主要国の最新の法的、政策的対応を調査し検討した。今後、この問題がより広く理解され議論が深められることで、知的財産権の適切な保護、活用を通じた我が国産業の発展と、国民の健康な経済的文化的生活の維持、発展がともに均衡的に確保されることが望まれる。

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12. 産業財産権紛争を巡る現状に関する調査研究

 近年、産業財産権紛争をめぐる現状に関し、強い関心が寄せられており、知的財産推進計画2005の検討課題にも、知財侵害訴訟における訴訟当事者の立証負担の問題や特許庁の判定制度のあり方に関する検討が盛り込まれている。

 そこで本調査研究では、現行の損害賠償制度の運用や立証負担等の実態の把握を目的として、知財侵害事件に関する判例調査を実施し、さらに企業へのアンケート及びヒアリングによる調査を実施した。

 併せて、職務発明に関する対価の額の立証責任等の実態を把握すべく、判例調査及び裁判所での閲覧調査を実施し、対価の算定方法や対価の額の立証の実態について情報の収集、分析を行った。

 さらに、特許庁の判定制度の今後の在り方を考察するに当たり、特許庁の判定制度の利用者に対しアンケート及びヒアリングを実施し、特許庁の判定制度が、利用者からどのような評価を受け、知財紛争でいかなる機能、役割を備えているのか等について検証を行った。

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【特許庁委託産業財産権研究推進事業】

13. インターネット関連の国際商標権紛争について-西欧諸国の法的状況と日本の事例-
セドリック・マナラ
平成17年度招聘研究員
エデック・ビジネススクール 助教授

 商標に対し与えられる保護の効力は登録国に限られるため、様々な国においてそれぞれに異なる者が互いに類似する商標に対する正当な権利を所有しているという事態も生じうる。そして、かかる競合する権利者たちがインターネット上で使用することによりそれらの商標を全世界的な規模で表示した場合には、それにより紛争が生じる可能性もある。

 そのような紛争をどのように解決すればいいのか。西洋諸国(特に日本と並んで世界でも最も商標登録件数の多い国である米国とフランス)においては、電子環境における同一標識の正当な所有者による同時使用の問題に関して、いくつかの(ときには互いに矛盾する)判決も下されている。それらの判決においては、言語は「サイバースペース」という多言語環境における混同のおそれの問題を解決するための重要な要因のひとつとも見なされてきた。また、いくつかのUDRP裁定例においても同様の取扱いが言語に対し与えられている。

 本調査研究の目的は、この問題を日本人の観点に立って検討することである。より具体的には、インターネットに関して認められる商標保護のレベルはその商標とともに使われる言語に依存するのかどうか、日本の商標権者のためにそこからどのような結論を導けるのかを明らかにするための検討を行った。

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14. 団体商標としての地理的表示保護-その可能性と陥穽-
デイブ・ガンジー
平成17年度招聘研究員
ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス講師(知的財産権)オックスフォード大学知的財産研究センター リサーチ・アソシエイト

 TRIPS協定第22条(1)は、「ある商品に関し、その確立した品質、社会的評価その他の特性が当該商品の地理的原産地に主として帰せられる場合において、当該商品が加盟国の領域(中略)を原産地とするものであることを特定する表示をいう」として「地理的表示」を定義している。すなわち、地理的表示とは製品の原産地及びそれに関係する特定の品質を示す言葉又は記号であると言える。その主な例としては、「Champagne(シャンパン)」「Parmaham(パルマハム)」「Darjeeling tea(ダージリン茶)」「神戸牛」等が存在する。かかる製品表示の使用を規制することにより、消費者を混同や欺罔から保護すると同時に、当該地域の生産者に対しては、それらの製品が有する価値あるグッドウィルが不正使用されることに対する集団的な救済を与えることができる。したがって、地理的表示は商標と類似した機能を有するものとも言える。

 一方で、両者の間には重要な相違点も存在する。と言うのも、まず、地理的表示は商標法が記述的であり、したがって登録できないとしている地名から構成されるものであり、そして(商標とは異なり)団体的な利益を保護するものでもある。本報告書では、不正競争防止法や商標法等からなる日本の地理的表示保護のための現行制度が、かかる相違点をどの程度まで認識するものであるかについて検討する。さらに、(1)2006年4月1日から導入される地域団体標章制度、及び(2)商標法を通じた地理的表示の国際保護がもたらし得る帰結についても注目する。

 最後に、各国でなされている「Kobe Beef(神戸牛)」商標の登録に関するケーススタディを通じて、商標と地理的表示の抵触に対する解決法として「先願主義」を用いることが不公正な結果をもたらし得る、という問題について注目し、最近のWTOパネル報告書DS174号が両者の抵触に関して下した結論こそがかかる問題についての解決策になり得ることを提案する。

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15. 意匠権と著作権の境界について
カタリーナ・マラッケ
平成17年度招聘研究員
法学博士, シャーマン&スターリング国際法律事務所 弁護士

 本稿は、「工業デザイン製品は著作権法による保護を受けることができるかどうか」という問題を検討することを目的とするものである。また、ドイツの旧意匠法と新意匠法のそれぞれが工業デザインに与える保護の内容についての検討及びそれと現在の日本で行われているデザイン保護についての議論との比較を通じて、ドイツ及び日本における工業デザイン保護の原則も紹介する。

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16. コンピュータ・ソフトウェア関連の発明における特許性の研究-米、日、欧の実務及び中国における展望-
周 俊強
平成17年度招聘研究員
中国弁護士、安徽師範大学副教授

 いまやソフトウェア・ビジネスは世界的な広がりを見せつつあるが、知的財産権保護の観点からすれば、コンピュータ・ソフトウェアには「二面的」な性質が存在する。すなわち、ソフトウェアには著作権保護の対象であると同時に特許保護の対象ともなり得る性質が備わっている。現代におけるソフトウェアは、既に「コンピュータ・プログラムは数学的な論理的アルゴリズムを実施するだけのものにすぎない」と言う伝統的な見方とはかけ離れたところまで進歩している。ソフトウェアは、ソフトウェア産業の発展とともに人類が様々な問題を解決していく上で欠かせないツールへと進化し、かついくつかの機能を実現するものとしての役割も果たすものとなっている。すなわち、ソフトウェアは特許保護を受けるために欠かせないものとして特許法に定められている「技術性」や「非自明性」を備えるようにもなっているのだ。

 本報告書では、ソフトウェア関連発明に関する米国の判例を検討し、日米欧の関連法規や審査ガイドラインを比較し、そして日米欧における実体的特許要件(特に「非自明性(進歩性)」要件)がソフトウェア関連発明に対しいかに適用されているかを研究する。さらに、中国におけるソフトウェア関連発明保護の現状と将来的に見通しについて説明した上で、中国特許法の下でソフトウェア関連発明をいかに保護していくべきかに関するいくつかの考えも提案する。また最後の部分では、筆者自身の結論と疑問も提示させていただいた。

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17. コンピュータ・プログラムの保護に関する米・EU・日・韓の比較法的研究プログラム リバース・エンジニアリングを中心に -
鄭 鎭根
平成17年度招聘研究員
法学博士、韓国 技術と法研究所 研究員 国立韓京大学 兼任教授

 コンピュータ・プログラムを著作物として保護し始めたのは、1970年代後半以降で、米国、ヨーロッパ連合(EU)、韓国そして日本などのプログラム著作権分野で主要な国々は、同一、類似の法制によってコンピュータ・プログラムを保護している。

 このように各国が似ている保護法制を採択している理由としては、コンピュータ・プログラム保護の歴史が比較的浅いこと、知的財産権の国際的調和の必要性に対する同意が大体的に形成されていること、コンピュータ・プログラムには国境がないと言う特徴及びネットワーク効果などが考えられる。

 しかし、一部では各国間によって非常に微妙な差を見せており、その中の一つが"プログラム著作権の制限水準"を決定する問題である。特に、コンピュータ・プログラムのリバース・エンジニアリング(又はリバース・アナライズ)行為が許容される範囲を決定するに当たって、非常に重要な判例がアメリカから出たのである。

 この事件でアメリカの連邦巡回控訴裁判所はリバース・エンジニアリングを制限する契約条項が連邦法である著作権法に優先すると判示した。その理論的背景はもちろんその妥当性に対し、多くの学者達から批評されている。アメリカと違い、ヨーロッパ連合(EU)ではリバース・エンジニアリングを制限する契約条項は無効と明示する方法を利用しており、大韓民国はリバース・エンジニアリングを自由利用の一類型と例示する立法を採択した。

 これらの違いは、各国の歴史的、理論的背景の相違から来るものであると考えられる。よって、これらの事実を土台にし、どのような法制が日本と国際社会の望ましい将来、及びコンピュータ・プログラム産業の発展に相応しいか提案したい。

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18. ドイツにおける意匠法と著作権法との体系的峻別構造の生成と展開
本山 雅弘
(財)知的財産研究所 長期在外研究員

 本研究は、産業財産権法と著作権法との体系的峻別の持つ意義の一端を探るため、意匠法と著作権法との体系的峻別論の生成と展開を、ドイツ法を素材に考察するものである。研究内容を大別すれば、両法の体系的峻別論の生成過程、1876年意匠法のもとでの峻別論の内容と展開、そして、峻別論の近年の展開からみた2004年意匠法の意義、となる。意匠法と著作権法との峻別論は、保護対象が備える美的程度を基準として段階的に両保護対象を峻別するいわゆる「段階理論」によって理論的内容が与えられた。本研究では、この段階理論の生成と展開とについて、最高裁判例、支配的学説、著作権保護対象の限界画定に関する"kleine Munze"論、それに、近年の欧州指令を背景とする著作権法改正と学説の動向をもとに、分析が行われる。この分析結果は、段階理論をめぐる近年の議論展開が意匠法と著作権法との峻別関係を希釈化し意匠法の体系的存在意義を希薄化しつつあったことを示す。そうした体系的峻別論の展開との関係で、2004年意匠法の意義が検討される。

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19. 米国の医薬・バイオ関連分野におけるプロパテント政策の動向 -ハッチ・ワックスマン法を中心に-
浅野 敏彦
(財)知的財産研究所 平成17年度短期派遣研究員

 米国は、我が国よりも20年先行してプロパテント政策を推進し、特にITやバイオ分野において大きな経済的発展を遂げた。しかし、医薬・バイオ関連分野では、リサーチツール特許等の問題に見られるように、プロパテント政策の弊害が出ているのではないかとの懸念もあり、米国における現状と動向について検討した。本研究の前半では、米国でどのようなプロパテント政策が実施されたか歴史的経緯について、政策面と判例に分けて全体を概観した。後半では、医薬・バイオ関連分野にとって特に大きな影響を与えた1984年の「ハッチ・ワックスマン法」の制定を取り上げた。本法は、米国で重視されるバランス政策の典型であり、その背景と立法経緯について整理し、現在も特許期間延長制度、ANDA申請制度、第271条(e)(1)に関する様々な事件が起きており、これらの事件の解釈をとおして今後の動向について考察した。

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20. 米国特許における均等論制限理論の適用とクレームドラフティングについて-均等制限におけるクレーム限定の重要性と予見性-
高瀬 泰冶郎
(財)知的財産研究所 平成17年度短期派遣研究員

 米国特許における近代の均等論の適用は、特許発明のわずかな変更によって発明を模倣することを防ぐことを目的とし、グレーバータンク最高裁判決以降、拡大傾向にあったが、ワーナージェンキンソン最高裁判決を境にむしろ制限する方向に移行している。これは、均等論制限理論の適用によるものであるが、オールエレメンツルールの厳格適用がそれに強く関与している。またその背景には、均等論によって拡大されたクレームの保護機能が、クレーム文言に要求される定義・公示機能と相反するため、その妥協点を見いだすことを難しくしているという状況がある。本研究では、そのような状況を考慮しながら、近年のCAFC判決を中心として、均等論制限におけるクレーム限定の役割とその重要性の考え方に関する最近の動向を調査し、現状に則したクレームドラフティングの在り方について考察した。また、最近は、当業者による予見性を均等論の制限理論に導入すべきとする動きもあり、この点についても調査を行った。

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21. 実施不能の場合における特許権者の法的責任
今西 頼太
(財)知的財産研究所 平成17年度特別研究員

 我が国の国際競争力強化には、知的財産の保護のみならず、その活用も視野に入れる必要がある。政府の知的財産推進計画には、TLO推進や知的財産信託といった知的財産活用への積極的な環境整備案が盛り込まれている。しかし、特許制度のあり方から言えば、特許発明が常に実施できるとは限らない。それ故、消極的な環境整備についても十分な検討が必要であると考える。その消極的な環境の一つとして「実施不能」という状況をあげることができる。

 特許実施契約(以下、実施契約とする)を締結したが、特許発明を実施することができない場合、特許権者はどのような法的責任を負うのか。実務では実施契約において保証事項を入れておくのが通常であろうが、将来起こりうる状況すべてを想定することは難しい。

 そこで、まず実施契約条項の基礎となる一般原則を探り、実施不能の場合における特許権者の法的責任を明らかにするという作業を試みる。

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22. 発明報奨制度は企業内研究者のインセンティブを高めるのか -パネルデータによる検証-
大西 宏一郎
(財)知的財産研究所 平成17年度特別研究員

 本稿では、企業が導入している従業員発明への報奨制度が、実際に研究開発の成果に結びついているのかどうかを実証的に分析した。具体的には、東証一部に上場している製造業者310社について焦点をあて、発明報奨制度の導入状況について詳細なアンケート調査した上で、その報奨制度が、米国特許件数ならびに、被引用回数でウェイトした特許件数にプラスの効果を与えているかどうかをみた。推計結果では、海外出願・登録時の報奨制度、売上高やライセンス収入などの実績応じた報奨制度ともに、米国特許件数を増加させる効果があるが、被引用回数ではかった特許件数の増加には寄与していないことが示された。これらの結果は、発明報奨制度は特許の質を改善するというよりはむしろ量を増加させる効果があることを示している。すなわち、発明報奨制度は、成果報酬として一定の効果があるものの、その効果は限定的であることを示唆している。

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23. 発明者の認定基準、及び発明者の認定に関する紛争処理手続
工藤 敏隆
(財)知的財産研究所 平成17年度特別研究員

 現行法上、特許出願時の発明者の記載は実体審査の対象とされず、その真否は付与後の特許の有効性に影響しない。しかし、研究者・技術者の権利意識の高まりにより、発明者の認定を巡る紛争が近時頻発しており、その実体上及び手続上の論点について明快な帰結が求められている。

 私見は、発明者の認定基準について、諸外国法、特に発明の技術分野と実験の要否の関係に着目した米国の判例理論である「同時の着想と具現化の理論」を参考に、我が国の裁判例・通説が採用する、「技術的思想の創作」や「着想の提供・具体化」の基準を今一歩具体的に敷衍することを試みる。 

 また、発明者の認定に関する紛争処理手続について、発明者の認定が前提問題となることの多い、真の権利者から冒認出願人に対する権利移転請求、並びに発明者の表示の補正・訂正手続について、特許付与前後を通じて一般に可能とする解釈論及び立法論の提示を試みる。

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24. データベース保護と競争政策 -創作性を要件としないデータベース保護の競争政策的考察-
佐藤 佳邦
(財)知的財産研究所 平成17年度特別研究員

 本報告は創作性を要件としないデータベースの法的保護につき競争法的観点から考察を試みるものである。

 車両情報データベース及び新聞の記事見出しについて,不法行為法の下でそのひょう窃行為を規制した下級審裁判例が存在する。これら裁判例及びデータベース保護の特別法案に対しては,一方で,情報独占を生じさせるとの懸念が表明されている。すなわち,情報が特定の者になかば排他的に保有されることで,他の事業者の経済活動が停滞し,又は文化の発展が阻害されるというのである。しかし他方で,そのような情報独占の問題に対して独禁法の適用を示唆する見解もある。

 本報告は,近時のヨーロッパにおける判例及び学説を参照し,独禁法は情報独占に対する適切な治癒とはならないこと,データベースの性格により保護の範囲を限定することで適切な保護をはかりつつ情報独占の問題を回避できること,などを述べる。

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