特許庁委託 産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業
2024年度派遣研究者募集要項

2024年度 派遣研究者 募集要項パンフレット

募集は終了しました。

※応募希望者は、募集要項を熟読の上、上記期限までに応募書類をお送りください。

1.事業の趣旨・目的

 本事業は、我が国企業が海外各国において活動しやすい産業財産権制度の導入を促すため、主に日本を含む複数国間において産業財産権制度に関する制度調和が中期的に必要な課題について、日本の産業財産権制度に対して深い理解を有する研究者が調査・共同研究1を実施し、得られた研究成果及び研究者のネットワークを活用して産業財産権制度に関する制度調和を推進することを目的とする事業です。
 一般財団法人知的財産研究教育財団 知的財産研究所(以下「知財研」)では、特許庁の委託を受けて、本事業により「国外研究機関における調査」を実施するための派遣研究者を募集します。

2.応募資格

 派遣時に以下の全ての条件を満たす者
 (応募時に条件を満たさない場合は応募書類の該当箇所にその旨注記してください。)

  • ① 日本国籍を有する者
  • ② 研究活動における不正行為(捏造、改ざん、盗用)の前歴の無い者
  • ③ 2024年4月1日現在で、博士課程(後期)在籍又は修了(博士課程(後期)単位取得退学・学位未取得を含む)者又はこれと同等以上の実績を有する研究者で、設定されたテーマについて調査・共同研究するために十分な産業財産権に関する知識を有する者2。2024年4月1日現在で博士課程在籍者又は終了者のいずれにも該当しない者は、2024年4月1日現在で産業財産権に関する学生等の教育・指導実績を有すること。
  • ④ 派遣期間中、常勤的職務に就く予定がなく、外国の研究機関において研究(及び付随手続)に専念できる者3
  • ⑤ 調査・共同研究活動に十分な産業財産権に関する知識を有し、派遣期間終了後も産業財産権分野で研究者ネットワークを構築し得る者
  • ⑥ 心身共に健全で、派遣先での調査・共同研究活動に支障のない者
  • ⑦ 派遣先における調査・共同研究活動に支障のない語学力を有する者
  • *2024年度事業実施団体が当財団と異なる場合があります。
3.募集期間

 2024年1月5日~2024年3月12日(必着)

4.派遣人数

 1~2名程度4

5.派遣期間
  •  1~6か月
     ※ 派遣時期は2024年7月から2025年2月末までです。
6.調査・共同研究テーマ

 特許庁が所管する産業財産権(特許、実用新案、意匠、商標)に関し、制度調和が中期的に必要となる課題に関する調査・共同研究テーマを選定してください。テーマ設定の参考として、特許庁より提示されたテーマの例は別紙1のとおりです。

7.派遣先

 調査・共同研究テーマを適切に実施できる海外の研究機関等を選定してください。希望した研究機関等が受入れできない等の事情によっては、知財研が適切と判断し特許庁が承認した他の研究機関等に派遣する場合があります。

8.応募書類5

 応募書類は以下のとおりです。様式は知財研のウェブサイトでダウンロードできます。

  • ① 2024年度派遣研究者申請書及び代表論文の写し
    所定の申請書(写真貼付)及び代表論文の写しを電子メールに添付し、応募先に提出してください。申請書は必ず所定の様式を使用し、注記事項を参照の上記入してください。記入に際して不明な点は必ず事前に問い合わせてください。
  • ② 2024年度派遣研究者推薦書
    推薦書は、現在又は過去の研究指導者又は上司等を推薦者とし、必ず推薦者により記入の上、推薦者から応募先に電子メールに添付し送付してください。
9.応募先(問合せ、連絡先)
 一般財団法人知的財産研究教育財団 知的財産研究所
 「派遣研究者募集」係
 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階
 E-mail: TEL:03-5281-5674 FAX:03-5281-5676
 <URL:https://www.iip.or.jp/>
 *応募の際は、電子メールのタイトルを「派遣研究者応募」としてください。
10.選定方法
  • ① 応募書類の内容を確認後、選定委員会に先立ち、担当者から応募者にオンライン又は電話によるプレ面接を行います。(面接の内容は選定委員会に提出されます。)
  • ② 選定委員会にて書類審査及び面接審査を行った上で、派遣内定者を決定します。面接審査はオンライン(zoomを使用)で実施します。面接審査を受けていただく方には日時が決まり次第連絡します。

【選定の主な観点】:応募資格①~⑦を満たし、特に以下が認められること。

  • 経歴及び研究業績、教育・指導実績が研究計画を遂行するに十分な知識及び研究能力を示していること。
  • 研究者のネットワークを構築できる人材であること。
  • 研究計画が、具体性を有し、産業財産権制度の制度調和が中期的に必要となる課題に関する調査・共同研究であること。
  • 希望派遣先である海外の研究機関が、研究者を受け入れる条件が明確であり、研究にふさわしい環境を備え、調査・共同研究内容に適切であること。
11.選定結果通知

2024年3月末(予定)

12.個人情報の取扱い

 応募書類に含まれる個人情報は、知財研の「個人情報保護管理規程」に基づき厳重に管理し、本事業の運営管理及び実施(希望者には知財研の今後の事業案内等)のためにのみ使用し、それ以外の目的には使用しません。なお、応募書類に含まれる情報は委託元である特許庁に提出する場合があります。
 また、この事業の研究成果報告会及び調査研究報告書において、派遣研究者の氏名及び経歴等が公表されます。


  1. ^派遣先の研究機関の適切な知見を有する者による助言・指導は共同研究を実施したものとみなします。
  2. ^派遣時までに在籍証明書又は最終学歴・学位の証明書を提出できないと不採用となる場合があります。研究能力及び実績が条件を満足しているかは応募書類等に基づき審査手続において判断します。
  3. ^大学教職員のサバティカル制度利用者を含む。企業所属の方は企業と派遣研究者との兼職は認められません。企業の休職(上司の許可証明が必要)又は退職を前提とします。
  4. ^本事業は2024年度予算の成立を前提としますので、派遣人数及び派遣期間は予算額により変更となる可能性があります。
  5. ^提出された応募書類一式は返却しませんのでご了承ください。
特許庁より提示されたテーマの例

(特許制度)

  • AI・IoT時代に対応した知的財産制度についての研究(又は、各国比較研究)
  • 権利の安定性に関する研究
  • 知的財産と経済成長に関する研究
  • 各国で付与される特許権の価値に関する国際比較研究
  • 地域イノベーション・中小企業支援に資する特許審査制度に関する研究
  • 先使用権に関する主要国(日、米、中、韓、欧州各国等)比較研究
  • 国境をまたぐ特許実施形態の保護の在り方(ブロックチェーンなど、サーバーが海外にある場合のクレームの書き方、保護の在り方を想定)
  • AIの利用による機械翻訳精度向上がもたらす制度調和への影響

(審判制度)

  • ASEAN諸国における異議・審判制度の整備状況について
  • 五庁における権利付与後の特許の無効化手続きの比較研究
  • 日米独英中韓における特許侵害訴訟時の権利の有効性・無効性の取扱いについて

(基準)

  • 「構造を有するデータ」及び「データ構造」の発明の保護に関する研究
  • クラウド・コンピューティング関連発明の保護に関する研究
  • 特許の保護対象に関する研究(そもそも何を特許で保護すべきか)
  • 諸外国における明細書に記載された「模擬の若しくは予想される試験結果及び予言的実施例(紙上での実施例)」の特許審査での取り扱いに関する比較研究

(普及支援)

  • 諸外国における事業化を促進するための産業財産制度に関する政策とその経済分析
  • 中小企業・ベンチャー・大学における産業財産権制度活用による経済効果の定量分析
  • 企業の組織体制及び知財戦略の変遷と産業財産権制度
  • 収益性の高い企業のビジネスモデルに対する産業財産権制度の寄与に関する経済分析

(意匠制度)

  • 意匠権の評価指標に関する研究
  • 各国での意匠分類の運用に関する比較研究
  • 各国における意匠権の活用手法の比較
  • デザインへの投資に対する経済効果について
  • 日米欧中韓における意匠制度の史的展開と比較
  • 意匠権に関する判例の各国比較研究
  • 各国での意匠の図面表現の要件に関する比較研究
  • 各国経済動向と意匠出願との相関関係に関する研究

(商標制度)

  • 商標権侵害の損害賠償額の算定の国際比較
  • 商標の類似とコンセント制度に関する研究
  • 登録後に識別力を喪失した商標の取消制度に関する研究
  • AR・VR空間といった仮想空間における商標制度の利用(商標の使用行為、仮想空間の商品・サービスと現実の商品・サービスとの類否)
  • 各国の商標審査における商品・役務の類否判断手法・類似範囲の調査
  • 各国における出願予測モデルの比較と日本の出願予測(商標)
  • 各国におけるパロディ商標の規制(拒絶・使用規制)
  • 各国における著名商標保護制度の比較
  • 欧米企業における商標出願戦略(選定商標、出願先、出願時期、指定商品)

(知財とビジネス)

  • 仮想空間内における知的財産の保護に関する研究
  • 知的財産の価値の評価手法(又は、経済分析手法)に関する研究
  • 知的財産関連統計データの知的財産政策への活用状況
  • 欧米等の諸外国における特許と競争法との関係
  • 標準必須特許(必須性判定等)に関する調査
  • 海外における知財ビジネスの実態に関する研究
  • M&Aにおける知財の取扱いに関する研究
  • AIの知財業務への活用実態調査

【参考】過去の派遣研究者及び研究テーマ
 知財研HP<https://www.iip.or.jp/fellow/index.html>に掲載されています。

研究活動等の概要
1.研究者の身分

知財研の派遣研究者(派遣先の研究機関等で身分が与えられる場合でも、知財研の身分が優先するものとします。)

2.派遣先での研究活動日及び活動時間等

派遣先研究機関等の規則等に従うことを原則としますが、必要に応じて知財研の指示に従っていただくことがあります。

3.待遇等
  • ① 派遣渡航費及び帰国渡航費、渡航諸費用(必要に応じてビザ取得費用、派遣期間中の海外傷害保険等)、派遣期間中の日当及び宿泊料(派遣中に他の地域に出張する場合等においては、日当及び宿泊料の二重払は行いません。)を知財研の定める規定に基づき支給します。
  • ② 派遣期間中、当該研究活動に関しては、知財研以外からの資金援助を受けることはできません。
  • ③ 本事業では、共同研究者の研究のための資金は拠出しません。
  • ④ 家族の同伴には、知財研の事前承認が必要です。知財研が負担するのは、派遣研究者本人の航空運賃及びその他費用のみであり、帯同する家族の分は対象となりません。
4.研究環境
  • ① 派遣内定後に、派遣先の研究機関等の研究環境、特に、派遣研究者用スペース、コンピュータ利用環境(イントラネット接続、インターネット接続等)、研究に必要な文献を所蔵する図書館、データベース等、及びそれらの利用条件を確認していただきます。研究に必要なソフトウェア等は、この事業の予算上及び契約上可能な範囲で知財研が準備できる場合があります。
  • ② 知財研と派遣研究者との連絡には電子メールとTeams又はZoom、各種申請書及び報告書の作成にはWord、Excel等を使用しますので、派遣先で日本語対応のPCが利用できる環境を整えていただきます。
  • ③ 派遣先の研究機関等では入手できない研究資料(書籍、雑誌、国内外商用データベース等)は、この事業の予算上及び契約上可能な範囲で知財研が確保します。
5.活動内容
  • ① 派遣研究者には、派遣内定後に確定する研究テーマ及び研究計画に従って、派遣先研究機関における調査・共同研究に専念する義務があります。ただし、本事業の趣旨に沿うと知財研が認める活動についてはこの限りではありません。例えば、制度調和を推進することを目的とする、日本の産業財産権制度に関する知見を国外の研究者に紹介する活動等が挙げられます。
  • ② 派遣先研究機関の担当者に2か月に1回以上の面談を通じて研究の進捗報告を行い、確認を受けること。(知財研より、2か月に1回以上、当該担当者に研究の進捗確認等を行います。)
  • ③ 研究上の必要に応じて、研究機関や研究者・専門家等を訪問し、学会・研究会・講演会等に参加すること。(参加費用及び旅費等は知財研の規定により支給します。)
  • ④ 研究上の必要に応じて、知財研の雇用する又は紹介する研究員の指導を受けること。
  • ⑤ 月次報告書等を定期的に提出し、知財研が月1回以上行う連絡に対して進捗を報告すること。
  • ⑥ 派遣期間終了後、知財研が定める日本国内での研究成果報告会において、調査・共同研究のうち派遣研究者自身による研究成果について報告を行うこと。
  • ⑦ 予定した研従事時間の1割以上の減少が生じる場合には、研究計画を見直していただきます。
  • ⑧ 知財研が指定する期限までに、調査研究報告書の査読用草案と完成原稿を提出すること。また、知財研が特許庁に納品する調査研究報告書の校正等にも協力していただきます。
  • ⑨ 提出された調査研究報告書の著作権は一般財団法人知的財産研究教育財団に無償で譲渡していただきます。(調査研究報告書の著作権は、納品後、特許庁に引き渡されます。)執筆者は、著作者人格権を行使しないものとします。但し、執筆者は、この事業の報告書からの引用である旨を付記することを条件に、執筆部分に限り、報告書の内容を、複製、翻訳、翻案等の形で利用することができます。
  • ⑩ その他、詳細は派遣契約及び派遣研究者の研究活動マニュアルにて取り決めます。

知的財産研究教育財団

知的財産教育協会

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