特許庁委託 産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業
2024年度派遣研究者 研究成果報告会

知財研では、特許庁委託事業「産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業」の一環として、日本の研究者を外国の研究機関に派遣し、産業財産権に関する制度調和が必要となる課題について研究する機会を提供しています。このたび、派遣研究者が約5か月のフランスでの研究を終えて帰国しました。そこで、研究成果の発表及び参加者との意見交換を行う場を設けるために、研究成果報告会を下記のとおり開催いたしますので、御案内申し上げます。

開催概要

日 時 2025年3月13日(木)10:30-11:40
題 目 仮想空間における知的財産の保護に関する研究ー商標・意匠を中心として
報告者 駒田 泰土 派遣研究者
会場 オンライン報告会
定員 60名(先着順)
参加費 無料

プログラム

10:30-10:35 開会・主催者挨拶
10:35-11:25 「仮想空間内における知的財産の保護に関する研究ー商標・意匠を中心として」
11:25-11:35 質疑応答
11:40 閉会
 

報告概要

 仮想空間内においては、有体物商品(現実商品)と同様の様態を示すデジタル商品(仮想商品)が(しばしばNFT商品として)取引されている。近時、ニース国際分類の改訂も行われ、各国の登録官庁で、仮想商品を指定商品とする商標登録出願に対応するための態勢が整えられている。しかしながら、現実商品を指定商品として登録された商標の仮想空間内での使用に商標法の保護が及ぶか否か――すなわち他者が仮想商品を指定して行う同一・類似の商標の登録を阻むことができるのか、また他者による仮想商品についての当該商標の使用を差し止めることができるのか――は、依然として重要な問題にとどまっている。
 この問題は結局のところ、商品の類似性についての応用問題にすぎない。本研究では、EU(及びフランス)法における商品類否の判断構造の観点から、わが国の商標法におけるその判断構造の捉え直し(再構成)を行い、彼地の議論を基に現実商品を指定商品とする登録商標の仮想空間における保護を考察してみた。
 一方、物品(有体物)の意匠の許諾を得ない仮想商品への転用も問題となっている。この点、EUでは物品概念を無体物にも広く拡張する新指令等が採択され、昨年11月に公布されている。本研究では、非登録意匠に係るEU意匠規則がわが国の不正競争防止法2条1項3号の運用の参考になるのではないかという問題意識の下で前者の理解に努めたが、実際には制度間の隔たりが大きく、あまり参考にならないのではないかという結論を得た。

略歴

駒田 泰土(こまだ やすと)氏

上智大学法学部教授

【派遣先】トゥールーズ第1大学ビジネス法センター(フランス・トゥールーズ)

【派遣期間】2024年10月3日~2025年2月28日

【共同研究者】Prof. Alexandra Mendoza-Caminade、Prof. Jacques Larrieu

申 込

【注意事項】
本報告会はインターネットを介したライブ配信となります。予期しないインターネット環境の乱れが発生した場合、途中中断の可能性がございます。予めご了承ください。その場合は後日、中断時点から録画配信を検討いたします。
ビデオ会議ツールの設定や接続環境については、事前に設定・確認をお願いいたします。参加者個々の利用環境が異なるため、事務局ではサポートしかねます。
会社のセキュリティ等の関係でビデオ会議ツールを使用できない場合はお手持ちのスマートフォンやタブレットをご利用ください。
本報告会の録音・録画、画面のスクリーンショット、資料の二次利用はご遠慮ください。

参加申込フォームに必要事項を入力の上、送信してください。

【申込締切り】2025年3月12日(水)15時
【参加URLと配布資料の送付】3月12日(予定)

【問合せ先】
 一般財団法人知的財産研究教育財団 森田、石本
 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階
 Tel:03-5281-5674  Fax:03-5281-5676
 E-mail:fellow24s@fdn-ip.or.jp


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