特許庁委託 産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業
2024年度派遣研究者 研究成果報告会
知財研では、特許庁委託事業「産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業」の一環として、日本の研究者を外国の研究機関に派遣し、産業財産権に関する制度調和が必要となる課題について研究する機会を提供しています。このたび、派遣研究者が約1か月の英国での研究を終えて帰国しました。そこで、研究成果の発表及び参加者との意見交換を行う場を設けるために、研究成果報告会を下記のとおり開催いたしますので、御案内申し上げます。
開催概要
日 時 | 2025年3月14日(金)13:30-14:40 |
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題 目 | 登録意匠権によるファッションデザイン保護の在り方 |
報告者 | 山本 真祐子 派遣研究者 |
会場 | オンライン報告会 |
定員 | 60名(先着順) |
参加費 | 無料 |
プログラム
13:30-13:35 | 開会・主催者挨拶 |
13:35-14:25 | 「登録意匠権によるファッションデザイン保護の在り方」 |
14:25-14:35 | 質疑応答 |
14:40 | 閉会 |
報告概要
本研究は、意匠権によるファッションデザイン保護のあり方について、共同体登録意匠権(及びイギリスの登録意匠権)を参照した検討を行うものである。 従来、デザインのライフサイクルが短く、かつ一度に多数のデザインを展開することが多いファッションビジネスと、出願・登録を要する意匠権によるデザイン保護の相性は悪いとされてきた。しかし、2018年(グレイスピリオドの期間伸長)及び2024年施行の意匠法改正(新規性喪失の例外にかかる手続要件緩和)によって、その問題は一部解消されたといえる。 とはいえ、いまだ解消されない問題は存在する。本研究は、そのうち以下の二点について、共同体登録意匠権(及びイギリスの登録意匠権)を参照した検討を行うものである。 第一に、新規性喪失の例外にかかる手続要件が緩和されたとはいえ、いまだ最先の公開にかかる証明書の提出が必要という手続要件が存在する点について、かような手続要件のない共同体登録意匠権の仕組みを導入することを提唱する。 第二に、生地デザインの保護困難性(物品と離れた模様自体を意匠権で保護することができず、また、「織物地」を指定物品とする意匠権についても、同一・類似の模様を、形状が異なる様々な物品に用いられた場合には、基本的に物品の類似性が認められず、かつ利用関係についても、どこまで及ぶのか不透明である点。)については、日本に比して、物品をまたぐ侵害が肯定されやすいと考えられる共同体登録意匠権(及びイギリスの登録意匠権)の仕組みを導入するのではなく、むしろ多意匠一出願の仕組みの導入を検討すべきことを提唱する。 |
略歴
山本 真祐子(やまもと まゆこ)氏
群馬大学情報学部講師
【派遣先】ノッティンガム大学(イギリス)
【派遣期間】2025年1月29日~2025年2月23日
【共同研究者】Prof. Estelle Derclaye
申込
本報告会は終了しました。
【問合せ先】
一般財団法人知的財産研究教育財団
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Tel:03-5281-5674 Fax:03-5281-5676