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平成29年10月30日
特許庁委託 産業財産権研究推進事業 平成29年度特別研究員 中間報告会
一般財団法人知的財産教育財団 知的財産研究所では、特許庁から委託を受け、我が国の適切な産業財産制度の設計・構築を推進するために、主に将来を担う国内外の研究者を対象として、制度調和や制度整備が中期的に必要となる研究テーマについて研究を行う機会を与える産業財産権研究推進事業を実施しています。その一環として、我が国の若手研究者を当研究所の特別研究員として1年間採用し、主に知的財産制度に関する潜在的な課題についての研究に従事してもらっています。この度、4名の研究員のこれまでの研究成果の発表及び参加者の方々との意見交換を行う場を設けたく、次のとおり、中間報告会を開催いたしますので、御案内申し上げます。ご都合がつきます方は是非ともご参加ください。
日 時 | 平成29年10月30日(月)13:00-17:15 (12:30受付開始・開場 これ以前には入場できない場合があります。) |
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会 場 | 一般財団法人知的財産研究教育財団 知的財産研究所 会議室 (地図) 東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル 5階 東京メトロ東西線 竹橋駅(3b出口)より徒歩5分 東京メトロ東西線 竹橋駅(1b出口)より徒歩4分 東京メトロ半蔵門線、都営新宿線神保町駅より徒歩8分 都営三田線 神保町駅(A9出口)より徒歩3分 |
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参加費 | 無料 | |||||||||||||||||
定 員 | 報告ごと60名 (先着順) | |||||||||||||||||
プログラム |
※各報告は、発表45分、質疑応答10分・講評5分の予定です。 |
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申込方法 | 受付終了いたしました。 |
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問合せ先 | 一般財団法人知的財産研究教育財団 知的財産研究所 金子(かねこ) |
『中国企業による日本企業の買収が日本社会のイノベーション活動に与える影響 ―特許データを用いた実証分析 』 袁 媛 特別研究員 |
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【報告概要】
グローバル化が進む中、日本企業が国際競争力を喪失しつつある分野では、事業の選択と集中を進めざるを得ない状況にある。収益性の低い事業や競争力の弱い事業の海外企業への売却が増加している。海外企業による日本企業の買収は、買収された企業の技術活用などを通して企業価値の向上や雇用の確保などに大きな意味を持つ。しかし、同時に事業売却によって、既存技術の有効活用がされても、当該分野の研究開発能力は長期的に低下することが懸念されている。最近、特に、中国系企業による日本企業の買収が注目されている。中国系企業による日本企業の買収が、イノベーションにどのような影響を与えるか、そのメカニズムを明らかにし、長期的効果を含め検証することは非常に重要な研究課題となっている。 本研究では、第一に、中国系企業による日本企業の買収に伴って、イノベーションの効果が発生したか、第二に、中国系企業による買収が特有の効果を持つかを明らかにする。 本報告では、これまでに行った、IIPパテントデータベース、レコフM&Aデータベース、SIPO (中国知識産権局)の特許権利移転データベースの整理・結合、及び、初歩的な統計分析から、分析手法と暫定的な結果を報告する。 |
【報告者紹介】
法政大学大学院経済学研究科博士後期課程修了 博士(経済学)、早稲田大学高等研究所・准教授、現在、華東師範大学経済管理学部・准教授、法政大学兼任研究員、平成27~28年度当研究所特別研究員。平成29年4月より当研究所特別研究員。 |
『製造方法特許のノウハウ性がイノベーションに与える影響に関する実証研究』 平井 祐理 特別研究員 |
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【報告概要】
近年、国際的な競争の激化を背景として、企業が開発した技術を「特許化」するのか、あるいはノウハウとして「秘匿化」するのかという、より戦略的な知的財産管理を行うことの重要性が指摘されている。本研究では、製造方法特許において、本来ノウハウに該当するような性質の技術が特許化されているものを特許の「ノウハウ性」とし、これに着目をする。ノウハウ性の高い特許は本来ノウハウに該当するような性質の技術も開示しているため他組織への技術のスピルオーバーが起こりやすく、その後の研究開発に何らかの特徴的な影響を与える可能性があるのではないかという視点から、特許のノウハウ性がイノベーションに与える影響について実証的に分析を行うことを試みている。本報告では、先行研究調査や予備分析等、これまで行った研究結果について報告する。 |
【報告者紹介】
東京大学工学系研究科博士後期課程修了、博士(工学)。現在、東京大学政策ビジョン研究センター特任助教。平成28年度当研究所在外研究員、平成29年4月より当研究所特別研究員。 |
『中小企業の資金調達における特許出願の効果に関する研究』 松本 久仁子 特別研究員 |
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【報告概要】
我が国の99%の企業は中小企業であり、日本の産業競争力やイノベーションの源泉として大きな役割を担っている。資金調達は企業の成長に影響する重要な要因であり、特に、中小企業において重要な課題の1つとなっている。欧米を中心とした従来の研究では、ベンチャーキャピタルなどの資金提供者は投資先情報の入手のしやすさから近隣の企業に投資する傾向が示されており、資金提供者の少ない地域に立地する企業ほど資金調達が困難になることが懸念されている。一方で、特許出願によって資金調達の制約が緩和されることも指摘されている。そこで、本研究では、金融機関の立地と中小企業の成長の関係に特許出願がどのように影響するのかを分析することによって、間接的に中小企業の資金調達における特許出願の効果を明らかにしていく。 本報告では、まず、我が国の中小企業の資金調達の現状、及び、金融機関の地理的分布状況を把握する。続いて、欧米を中心とした先行研究の成果を概観する。その上で、金融機関の立地と中小企業の成長の関係に特許出願がどのように影響するのか仮説を検討していく。 |
【報告者紹介】
東京大学大学院 工学系研究科 博士後期課程在籍、平成29年4月より当研究所特別研究員。 |
『日米欧における産業財産権制度の史的展開と比較―意匠制度を中心に―』 靏岡 聡史 特別研究員 |
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【報告概要】
従来、産業財産権制度に関する史的研究は、特許制度、商標制度を中心に行われてきた。 しかし、意匠制度も産業財産権制度における重要な制度の一つであり、意匠制度に関する史的研究も今後発展させていく必要がある。 そこで、この研究では、日米欧の産業財産権制度がどのように展開してきたのか、各国の史的展開過程について、政治史の視点から意匠制度を中心として明らかにすると共に、比較・検証を行うことを目的とする。 この報告では、最新の研究状況も踏まえつつ、これまでに新たに発見した国内外の史料も加味し、日本の産業財産権制度の史的展開を中心に報告する。具体的には、日本において最初の意匠法である意匠条例(明治21(1888)年)が制定された明治前期に着目し、当時の日本が置かれた国内外の状況を照らし合わせながら、日本の産業財産権制度―意匠制度を中心に―がどのように展開されたのかについて検討を試みる。 |
【報告者紹介】
慶應義塾大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学、平成23~25年度当研究所特別研究員、現在、慶應義塾大学SFC研究所上席所員、平成29年4月より当研究所特別研究員。 |