IIP HOME >セミナー・成果報告会> これまでに開催したセミナー・報告会> 平成29年度招へい研究者 研究成果報告会

開催済み セミナー・研究成果報告会

平成30年2月15日(木)
特許庁委託 産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業
平成29年度招へい研究者 研究成果報告会

一般財団法人知的財産研究教育財団、知的財産研究所では、特許庁から委託を受け、我が国企業が海外各国において活動しやすい産業財産権制度の導入を促すため、主に日本を含む複数国間において産業財産権制度に関する制度調和が中期的に必要な課題について日本の産業財産権制度に対して深い理解を有する研究者が調査・共同研究を実施し、得られた研究成果及び研究者のネットワークを活用して産業財産権制度に関する制度調和を推進することを目的とした事業を推進しています。その一環として、外国から研究者を招へいし、主に日本を含む複数国間において産業財産権に関する制度調和が必要となる課題について研究する機会を提供しています。
 この度、ポルトガルの研究者が2月中旬に約1.5か月の招へい期間を終えて帰国する予定です。そこで、研究成果の発表及び参加者との意見交換を行う場を設けるために、研究成果報告会を下記のとおり開催いたしますので、御案内申し上げます。

日 時 平成30年2月15日(木)15:00-17:00 
(14:30受付開始・開場 これ以前には入場できない場合があります。)
会 場 一般財団法人知的財産研究教育財団 知的財産研究所 5階会議室 (地図
東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル 5階
          東京メトロ東西線 竹橋駅(3b出口)より徒歩5分
          東京メトロ東西線 竹橋駅(1b出口)より徒歩4分
          東京メトロ半蔵門線、都営新宿線神保町駅より徒歩8分
          都営三田線 神保町駅(A9出口)より徒歩3分
参加費 無料
定 員 60名 (先着順)  
プログラム
14:30 受付開始
15:00 開会・主催者挨拶
15:05-16:35 "Patentability of AI-generated inventions – is a reform of the patent system needed?"
『AIにより生成された発明の特許性-特許制度改革の必要性 (仮訳)』

Ana Ramalho (アナ・ラマルホ)招へい研究者
(※研究者の発表は英語で行い、日本語の逐次通訳が付きます。)
16:35-17:00 質疑応答
17:00 閉会

▲このページの先頭へ 

“ Patentability of AI-generated inventions – is a reform of the patent system needed? “
『AIにより生成された発明の特許性 -特許制度改革の必要性 (仮訳)』

Ana Ramalho (アナ・ラマルホ)招へい研究者

【Abstract】

As technology advances, artificial intelligence (AI)-generated inventions – i.e., inventions created by computer systems independently of a human controller– are deemed to becoming more common. The human ingenuity in such inventions is less visible, while at the same time the inventing activity becomes easier, as most of the mental effort is passed on to the AI. However, this scenario makes it harder to assess whether the invention possesses an “inventive step” – a condition for patentability that requires the invention to be non-obvious to a skilled person. Indeed, a given AI-generated invention might be non-obvious to a skilled person; but it will probably be obvious to a person that has access to a similar AI. The main aim of this research is to assess whether patent laws are fit for purpose with regard to the patentability of AI-generated inventions, in particular in what concerns the inventive step requirement. With that objective, the research carries out a comparative analysis of the inventive step (or non-obviousness) requirement in relation to AI-generated inventions in Japan, the European Union and the United States. The research will conclude with recommendations towards an international harmonization of the interpretation of, and practices related to, the inventive step requirement in the field of AI-generated inventions.

【概要】 (仮訳)

技術の進歩に伴い、人工知能(AI)生成発明、すなわち人間の操作者とは独立してコンピュータシステムにより生成された発明が一般化していくと考えられる。そのような発明では人間の創造性が目立たなくなるが、精神的活動の大部分がAIによって引き受けられ、発明活動が容易になる。しかし、こうしたシナリオでは、発明が、特許性要件の一つ、すなわち発明が当業者にとって自明ではないことが要求される「進歩性」の評価が困難になる。実際に、あるAI生成発明は当業者にとって自明ではなくとも、類似のAIを利用している者にとっては自明な場合も考えられる。本研究の主な目標は、特許法が、特にAI生成発明の進歩性要件との関係において、目的にかなっているかどうかを評価することにある。本研究では、こうした目的のもと、AI生成発明に関係する日本、欧州連合、米国の進歩性(又は非自明性)要件の比較分析を行う。本研究の最後に、AI生成発明分野における進歩性要件の解釈及び実務の国際的な制度調和に向けた提言を行う。

【略歴】

リスボン大学より法学士及び法学修士、ミュンヘン知的財産法センターよりLLM、アムステルダム大学より法学のPhDを取得。現在、マーストリヒト大学知的財産法助教。

【招へい期間】

平成30年1月9日~平成30年2月17日(予定)

▲このページの先頭へ 

 


Top