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平成30年3月19日
特許庁委託 産業財産権研究推進事業 平成29年度特別研究員 研究成果報告会
一般財団法人知的財産研究教育財団 知的財産研究所では、特許庁から委託を受け、我が国の適切な産業財産制度の設計・構築を推進するために、主に将来を担う国内外の研究者を対象として、制度調和や制度整備が中期的に必要となる研究テーマについて研究を行う機会を与える産業財産権研究推進事業を実施しています。その一環として、我が国の若手研究者を当研究所の特別研究員として1年間採用し、主に知的財産制度に関する潜在的な課題についての研究に従事してもらっています。
昨年10月に中間報告会を開催し、参加者の方々から貴重なアドバイスをいただきました。この度、4名の特別研究員のその後の研究成果も含め1年間の研究成果の発表及び参加者の方々との意見交換を行う場を設けたく、次のとおり研究成果報告会を開催いたしますので、御案内申し上げます。ご都合がつきます方は是非ともご参加ください。
日 時 | 平成30年3月19日(月)13:00-17:35 (12:30受付開始・開場 これ以前には入場できない場合があります。) |
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会 場 | 一般財団法人知的財産研究教育財団 知的財産研究所 会議室 (地図) 東京都千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル 5階 東京メトロ東西線 竹橋駅(3b出口)より徒歩5分 東京メトロ東西線 竹橋駅(1b出口)より徒歩4分 東京メトロ半蔵門線、都営新宿線神保町駅より徒歩8分 都営三田線 神保町駅(A9出口)より徒歩3分 |
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参加費 | 無料 | ||||||||||||||||
定 員 | 報告ごと60名 (先着順) | ||||||||||||||||
プログラム |
※各報告は、発表50分、質疑応答10分・講評5分の予定です。 |
『方法の発明が製造業のイノベーションに与える影響に関する実証研究』 平井 祐理 特別研究員 |
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【報告概要】
近年、国際的な競争の激化を背景として、企業が開発した技術を「特許化」するのか、あるいはノウハウとして「秘匿化」するのかという、より戦略的な知的財産管理を行うことの重要性が増している。中でも、方法の発明は、基本的に工場内でのみ実施される技術であることから、こうした特許化‐秘匿化の選択がより重要となる。方法の発明を特許出願することに関しては、企業が本来秘匿すべき技術までを防衛的に出願することにより審査の遅延や海外への技術流出が生じているといった指摘がなされているが、特許出願された方法の発明についての実証的研究は少ない。そこで、本研究では、方法の発明がイノベーションに与える影響について製造業の特許データを用いて分析を行う。 |
【報告者紹介】
東京大学工学系研究科博士後期課程修了、博士(工学)。現在、東京大学政策ビジョン研究センター特任助教。平成28年度当研究所在外研究員、平成29年4月より当研究所特別研究員。 |
『中国企業による日本企業の買収が日本社会のイノベーション活動に与える影響 ―特許データを用いた実証分析』 袁 媛 特別研究員 |
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【報告概要】
グローバル化が進む中、日本企業が国際競争力を喪失しつつある分野では、事業の選択と集中を進めざるを得ない状況にある。収益性の低い事業や競争力の弱い事業の海外企業への売却が増加している。海外企業による日本企業の買収は、買収された企業の技術活用などを通して企業価値の向上や雇用の確保などに大きな意味を持つ。しかし、同時に事業売却によって、既存技術の有効活用がされても、当該分野の研究開発能力は長期的に低下することが懸念されている。最近、特に、中国系企業による日本企業の買収が注目されている。中国系企業による日本企業の買収が、イノベーションにどのような影響を与えるか、長期的効果を含め検証することは非常に重要な研究課題となっている。 ここでは、以下の三点、すなわち、①中国企業に転籍した技術者の属性、転籍後の発明実績の変化、②中国企業の買収に伴う特許権利移転と人材の移動の状況、③転籍した日本人発明者が中国人技術者の技術開発に与えた影響についての分析結果を中心に報告し、中国企業による日本企業の買収に伴う技術の波及効果及び特許権利移転等の実態について明らかにする。 |
【報告者紹介】
法政大学大学院経済学研究科博士後期課程修了 博士(経済学)、早稲田大学高等研究所・准教授、現在、華東師範大学経済管理学部・准教授、法政大学兼任研究員、平成27~28年度当研究所特別研究員。平成29年4月より当研究所特別研究員。 |
『中小企業の資金調達における特許出願の効果に関する研究』 松本 久仁子 特別研究員 |
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【報告概要】
我が国の99%の企業は中小企業であり、日本の産業競争力やイノベーションの源泉として大きな役割を担っている。資金調達は企業の成長に影響する重要な要因であり、特に、中小企業において重要な課題の1つとなっている。欧米を中心とした従来の研究では、ベンチャーキャピタルなどの資金提供者は一部地域に強く集積し、投資先情報の入手のしやすさから近隣の企業に投資する傾向が示されている。そのため、資金提供者の少ない地域に立地する企業ほど資金調達が困難になることが懸念されている。一方で、特許出願によって資金調達の制約が緩和されることも指摘されている。そこで、本研究では、まず、都市規模別に金融機関の集中状況と寡占状況を見ることによって、都市の規模と金融機関の集積状況の傾向の把握を試みた。そして、金融機関の集積状況(集中度・寡占度)が中小企業の成長の関係にどのように影響するのか、さらに、特許出願がどのように影響するのかを分析することによって、間接的に中小企業の資金調達における特許出願の効果を明らかにしていく。 |
【報告者紹介】
東京大学大学院 工学系研究科 博士後期課程修了 博士(学術)、平成29年4月より当研究所特別研究員。 |
『日米欧における産業財産権制度の史的展開と比較―意匠制度を中心に―』 靏岡 聡史 特別研究員 |
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【報告概要】
従来、産業財産権制度に関する史的研究は、特許制度、商標制度を中心に行われ、意匠制度については、とりわけ政治史では、あまり大きな関心が寄せられてこなかった。 しかし、意匠制度も産業財産権制度における重要な制度の一つであり、今後同制度に関する史的研究も発展させていく必要がある。 そこで、この研究では、意匠制度を中心に、近代日本の産業財産権制度がどのように展開してきたのかについて、各国の意匠制度の史的展開過程と比較しつつ、政治史の視点から検討する。 具体的には、明治初期から、最初の意匠法である意匠条例(明治21(1888)年)の制定、日本のパリ条約加盟(明治32(1899)年)に至る過程について着目し、当該期のモデル化を試みる。当該期は、明治政府の殖産興業政策もあり、近代化が進展しつつあった時期であった。かかる近代化が、政治面、とりわけ外交面でどのような影響を及ぼしていたのかについて考察する。 |
【報告者紹介】
慶應義塾大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学、平成23~25年度当研究所特別研究員、現在、慶應義塾大学SFC研究所上席所員、平成29年4月より当研究所特別研究員。 |