特許庁委託 産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業
平成30年度派遣研究者 研究成果報告会

一般財団法人知的財産研究教育財団 知的財産研究所では、特許庁から委託を受け、我が国企業が海外各国において活動しやすい産業財産権制度の導入を促すため、主に日本を含む複数国間において産業財産権制度に関する制度調和を進める上で抱える中期的に必要な課題に関し、日本の産業財産権制度に対して深い理解を有する研究者が調査・共同研究を実施し、得られた研究成果及び研究者のネットワークを活用して産業財産権制度に関する制度調和を推進することを目的とした事業を推進しています。その一環として、我が国の研究者を外国の研究機関に派遣し研究に従事してもらっています。
この度、派遣研究者が約3か月半の米国派遣を終えて帰国します。そこで、研究成果の発表及び参加者との意見交換を行う場を設けるために、研究成果報告会を下記のとおり開催いたしますので、御案内申し上げます。

日時

平成31年3月8日(金)14:00-15:05
(13:30受付開始。これ以前には入場できない場合があります。)

会場

TKPガーデンシティ御茶ノ水
https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/gc-ochanomizu/access/

【住所】
〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台3丁目11-1
三井住友海上駿河台新館2階 カンファレンスルーム2C

【アクセス】
JR御茶ノ水駅 聖橋出口 徒歩4分
東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅 B3b出口 直結
都営新宿線 小川町駅 B3b出口 直結
東京メトロ丸ノ内線 淡路町駅 B3b出口 直結

参加費

無料

定員

60名(先着順)

プログラム

13:30受付開始
14:00開会・主催者挨拶
14:05-15:05 『ファッション・ローと産業財産権―ファッション・ビジネスに有用な制度構築を目指した考察』
家田 崇 派遣研究者
(報告は、発表50分、質疑応答10分の予定です。)
15:05 閉会

概要

本報告では、アメリカのファッション・ローを検討し、ファッション・ビジネス振興に貢献する産業財産権の制度的な枠組みの提示を試みる。まず、アメリカでは、商標に関連する制度がファッション産業において最も活用されている実状を明らかにし、アメリカ連邦商標法(Lanham Act:ラナム法)における問題を示す。
つぎに、ファッションと商標についてアメリカの判例・裁判例を確認する。ここでは、①標章(Mark)の識別力の分類基準が提示されたAbercrombie & Fitch Co. v. Hunting World, Inc.連邦第二巡回裁判所判決(1976年)、②ファッションを直接取り扱ったものではないが店舗のデザインが争点とされ、アメリカにおけるトレードドレスのリーディンケースとして位置付けられるTwo Pesos v. Taco Cabana連邦最高裁判決(1992年)、③衣服のデザインについて商標の保護適格性が検討されたWal-Mart v. Samara Brothers, Inc. 連邦最高裁判決(2000年)、④特徴的な赤い靴底(Red Sole)が争点となったChristian Louboutin v. Yves Saint Laurent America連邦第二巡回裁判所判決(2012年)などを検証し、ファッションとトレードドレス との関連性などを検証する。
その後、ファッションに知的財産権や商標を適用することに慎重な立場を示す学説を批判的に検討し、この立場に対峙する見解を提示し、ファッション・ビジネスに有用となる制度を検討していきたい。

略歴

2000年名古屋大学大学院法学研究科博士課程(後期課程)単位取得退学、名古屋商科大学総合経営学部助教授、甲南大学会計大学院教授を経て、2012年より南山大学法学部教授
【派遣期間】
平成30年11月19日~平成31年2月28日
【派遣先】
フォーダム大学ロースクール(米国・ニューヨーク)
【共同研究者】
Susan Scafidi教授


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