特許庁委託 産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業
2019年度派遣研究者 研究成果報告会

知財研では、特許庁委託事業「産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業」の一環として、日本の研究者を外国の研究機関に派遣し、産業財産権に関する制度調和が必要となる課題について研究する機会を提供しています。このたび、派遣研究者が3か月のドイツ派遣を終えて帰国します。そこで、研究成果の発表及び参加者との意見交換を行う場を設けるために、研究成果報告会を下記のとおり開催いたしますので、御案内申し上げます。

開催概要

日 時 2020年2月20日(木)14:00-15:05(13:30受付開始)
題 目 特許拒絶理由を構成する審査官引用を用いた三極特許審査スピルオーバーの解析
報告者 和田 哲夫 派遣研究者
会 場 学士会館 203号室
定 員 60名(先着順)
参加費 無料

プログラム

13:30 受付開始
14:00-14:05 開会・主催者挨拶
14:05-14:55 「特許拒絶理由を構成する審査官引用を用いた三極特許審査スピルオーバーの解析」
14:55-15:05 質疑応答
15:05 閉会

報告概要

本研究では、日米欧三極特許庁の特許審査の相互影響(スピルオーバー)を、拒絶理由を構成する特許引用という微視的単位で計量検出し、決定・変化要因を探る。特許審査基準のうち、新規性と進歩性は三極で原則共通のはずだが、実際には、同一国際ファミリにおいて三極間でかなり異なる特許文献が拒絶理由として提示される傾向がある。先行審査結果が他庁でどの程度利用されるかにつき、特定庁のオフィスアクションの前後で、他庁の引用に共通の引用が増加するか、PCTの国際調査報告は影響するか、などの見地から、審査スピルオーバーの存在を検証する。技術分野間の差異や、審査実務の制度・運用の差異が影響するため、なるべく影響を受けにくい切り口に着目し、可能な範囲で周辺要因をコントロールする。国際的な拒絶理由の食い違いとそれらが部分的に収束する条件を分析することで、国際的な審査協力の仕組みを検討するための基礎資料を目指す。

略歴

和田 哲夫(わだ てつお)氏

東京大学法学部卒、カリフォルニア大学バークレー校経営大学院Ph.D.
2000年学習院大学経済学部経営学科助教授、2004年から同教授。

【派遣先】マックスプランク・イノベーション競争研究所(ドイツ・ミュンヘン)

【派遣期間】2019年11月17日~2020年2月16日

【共同研究】Dietmar Horhoff教授


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