日中共同研究事業 平成25年度 第二回会議(東京)

意見交換会(平成26年1月21日)

この意見交換会は、中国の知的財産関係者を日本に招聘し、日本の有識者及びユーザーとともに、日中の知財戦略を比較検証し、健全な知財制度とは何か、知的財産のあるべき姿とは何かという視点に立ちかえることで、今後の中国が向かうべき方向性を日中の知財関係者で共有することを目的として開催しました。 会議ではまず、中南財経政法大学の呉漢東教授より、中国の中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(以下「十八期三中全会」とする)における知財政策の議論を踏まえた中国の知財に関する国家戦略について発表があり、続いて、中国社会科学院の李明徳教授より、中国における知財に係る法改正についての分析・評価に関する発表がありました。 発表の後、参加者全員による全体討議を行いました。討議では、中国の膨大な出願件数の背景や経済界への影響について、出願された発明の活用率が必ずしも高くない点や、そのため、近年は出願の質の向上に資する取組みが始まっている点などについて議論が行われました。また、特に中国の地方では、いまだに件数がイノベーションの評価指標として強く認識されているという説明や、日本とは異なり中国では企業先導型の知財戦略がとられておらず、産業の発達という観点からは企業をもっと重要視すべきという意見などが出されました。

研究者会議(平成26年1月22日)

第二回研究者会議では、会議前日に行われた日本と中国の有識者による意見交換会での議論を踏まえ、まず、日本側を代表して中山信弘教授より、知財制度における現状の課題というテーマについて、特許制度については、膨大な出願件数と権利の濫用が招く弊害という観点から、また、著作権については、権利の肥大化へ対抗する動きという観点からの発表がありました。続く参加者全員による全体討議では、知的財産保護の強化の流れと、これに対する自由利用を求める流れを踏まえつつ、知的財産制度がもたらす経済的効果等について議論が行われました。
最後に、参加者を代表して、李明徳教授より、日本と中国のみならず東アジアという視点から、グローバルな知的財産制度の将来について課題の提唱と解決の検討につながるような研究成果となることを期待しているという総括がありました。

日中共同研究事業 第二回 意見交換会
日中共同研究事業 第二回 研究者会議


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